FX取引においてはファンダメンタルズ分析はテクニカル分析に並ぶ、重要な分析方法です。
そんなファンダメンタルズ分析ですが、初心者のうちは何から見たらよいか、どういう意味なのか分からないことも多いと思います。本記事ではそんなファンダメンタルズ分析をわかりやすく解説し、どのようにトレードに活用していくかを解説しています!
【2月5~2月11日要点振り返り】
先週1週間はISM非製造業景気、豪中銀政策金利、メキシコ中銀政策金利など重要経済指標が発表されました。
注目度の高かったISM非製造業景気指数では、予想の52.2を上振れ、53.4と高めの数字が出たことと、通常50以上が景気状況として良いという見方をされることから、50pips以上も上昇するドル高相場になりました。雇用統計に比べるとインパクトは小さかったように感じます。
豪中銀政策金利の発表では、政策金利4.35%で据え置きとなりましたが、高金利維持の流れから、限定的ではありましたが豪ドルが買われる結果となりました。
メキシコ中銀政策金利では全会一致で政策金利の据え置きを発表も、「次回の会合で金利調整の可能性を評価」という声明が出てきたことで、上下に乱高下して、下落する形となりました。現在はそこから押し目買いが入り、2014年に付けた高値を更新しています。
【今週の重要経済指標】※重要度★~★★★★★で記載
①2月13日(火)22:30 アメリカ消費者物価指数(CPI)1月 [重要度★★★★☆]
※CPIでは都市部の消費者が購入する商品やサービスの価格の変化を調査して指数化。変動が激しい食品とエネルギー価格を除いたコア部分の指数も同時に発表される。
こちらはすでに発表済みですが、結果として物価指数の上振れから120pips以上のドル高で反応しました。
アメリカでは行き過ぎたインフレ(物価高)を下げるために、政策金利を引き上げているので、物価指数が高止まり・上昇する結果が出ている以上、物価が下がるまで今の高金利を維持しなければなりません。投資家の中には、次回FOMCで早くも金利を下げる(利下げ)が始まるのでは?という思惑があったのですが、今回の結果を踏まえてまだ利下げは先の話だろうと更なる円売り、ドル買いが加速しました。
※一般的に金利の高い通貨は買われやすい傾向があります。理由は持っているだけで確実な利益になるためです。
②2月15日(木)16:00 イギリス実質GDP(速報値) [重要度★★★★☆]
※四半期ごとのイギリス国内で生産された製品やサービスの付加価値を算出した指標で、国内の経済状況を把握することができる。
イギリスにおいても、米国同様インフレに苦しんでおり、政策金利の引き上げを行っています。注目点としては、米国同様経済状況が良い結果が出てくれば、高金利維持の期待からポンド高、予想・前回から大きく鈍化する結果が出ればポンド安としての反応が素直に出ると予測します。ただ、ポンド安になっても、すぐには利下げに転じないという見方もあるかと思うので、一時的な下落にしかならない可能性も視野に入れておきましょう。
③2月15日(木)22:30 アメリカ小売売上高1月 [重要度★★★★★]
※国内で販売される小売業・サービス業などの売上を集計した指標。本指標が好調だと、国内の個人消費が活発だという見方をされる。消費が活発=物価上昇に繋がるので、インフレへの影響度などを測るうえで注目される指標となっている。
予測としては、前回値よりも鈍化する予測が出ている。順当にいけばドル安での反応を期待できるが、1月の米経済指標が軒並み好調だったことと、★5と注目度も高いので、サプライズ的な上振れには警戒しておきたい指標です。
④2月16日(金)24:00 アメリカミシガン大学消費者信頼感指数(速報値) 2月[重要度★★★★☆]
ミシガン大学が消費者マインド(所得や雇用状況)を電話調査し指数化したもの。速報値は調査の対象人数が300人と少ないため、数値のブレが大きくなりやすい。
上記にも記載しましたが、主に所得や雇用状況などをアンケートし、指標化している指標で、毎月10日頃と早い段階で発表される指標になるので、先行指標として投資家からは注目されています。
・数値が低ければドル売り
基本は上記になります。注目度が高いにしても、雇用統計やGDP、CPIほど大きな指標ではないので、そこまで大きくドル相場に影響はないと考えて大丈夫です。
【今後の方向感とシナリオ】
今週1週間の重要経済指標を解説してきました。ファンダはあくまで相場の流れを把握するために使用し、大きく動くからと指標時の無理なエントリーは避けましょう。
ドル円ですが現在150円前半~151円手前を推移しています。
テクニカル的には、まだまだ上を目指していけるような形をしているので、押し目買いを狙っていくのがよさそうです。ただ、150円という過去に為替介入が入ってきた水準付近でもありますし、日銀や財務省からも口先介入といった要人発言が出てくる可能性もありますので、長期的にポジションを持つよりは、大きくても50~100pipsくらいの値幅を狙った短期的なトレードを行いたいと思います。
クロス円に関しても、各国利下げに転じるような動きが出るまでは、突発的な円買いには警戒しながらも、押し目買いを狙っていきます。