「FXは本で勉強したほうがいいのかな?」
残念ながら、本をよむだけではFXを完全に理解することはできません!
こんにちは、FX歴6年のヨシキです!
今日のテーマは「FXを本で学ぶときにやりがちな失敗」です。
- FXの概要
- FXの始め方
- FXを本で学ぶ時にやりがちな失敗
- おすすめ本
- FXチャートで大事なポイント
FXに関する本を何十冊も読んできた僕がこれらを解説していきます。
「FXを勉強したいけど、何を勉強すればいいかわからない・・・」という人は、この記事を最後までチェックしてくださいね。
FXを本で学ぶときにやりがちな失敗
多くの初心者がFXの本を読んでも、実際のトレードでは負けています。
FXに関する本を何十冊も読んできた僕なら、今ならその理由が分かります。
本を読めば稼げると勘違いしがちな、3つのポイントを今から解説します!
ポイント①トレードで意識すべきはチャートの右側の『未来』
FXの書籍に記載されているチャートというのは「過去のチャート」です。
書籍では既に先の値動きが分かった状態で、過去チャートとして記載されているので、今後も必ず当てはまるというわけではありません。
例えば、「三尊はこういうチャートの形で、ここでエントリーしてここで利益確定すれば稼げます!」と書かれていても、実践でその通りになるわけではありません。
なぜなら、過去のチャートからその書籍にとって都合のよい箇所だけを抜き出しているからです。
トレードで意識すべきは、チャートの右側の空白部分です。
現在進行形で動いているチャートがこの後上がるのか、下がるのかを予測しないといけません。
過去の出来上がったチャートで基本を勉強することはもちろん重要です。ベースがなければ予測もできません。
勉強して蓄積した情報をベースにして、未来を予測する精度を上げることが重要です。
ポイント② 上位足のチャートを無視している
例えば書籍に、「15分足のダブルボトムでネックラインを超えたら上昇トレンド転換なので、そこでエントリーすれば勝てます!」という手法があったとします。
しかし、その手法が必ず当てはまるほど現実は甘くありません。なぜならFXで勝つには、「4時間足」や「日足」のような、より全体の流れを認識することが重要だからです。
この例でいえば、15分足のような短い期間のローソク足で上昇トレンド入りしたように見えても、より大きな4時間足や日足が下降トレンドの中であれば、一時上昇しても再度下落する可能性が高いといえます。
ちなみに、この上位足の相場環境を下位足と一緒に把握することを、FXでは「マルチタイムフレーム分析」と言います。
- 大きな流れ(長期足)
- 中くらいの流れ(中期足)
- 小さな流れ(短期足)
マルチタイムフレーム分析では複数の時間足を確認しながら、現在の相場環境を分析して、エントリーポイントを見つけていきます。
FXの勝率を上げるには単一の時間足のチャートのみを鵜呑みにせず、マルチタイムフレーム分析の視点を持つことが重要です。
ポイント③「技術」が身に付いたと勘違いしてしまう
FXは知識のゲームではなく、技術のゲームです。FXを本でいくら学んでも勝てていない人は、知識は身に付いていても、相場で稼ぐための「技術」が身に付いていないことが多いです。
例えば、野球のバッティング理論を本で読んでも、メジャーリーガーの大谷選手のようにホームランをすぐに打てないのと同じです。
何度も何度も素振りや練習を行い、知識を技術に変えていくことでホームランを打てるようになるはずです。
FXも同じで、本で学んだ知識を実際に使う技術に変えていく必要があります。
手法を勉強して知っていたとしても、
- その手法が当てはまる局面を見つける技術があるか?
- 適切な場所でエントリー・利確・損切りできる技術があるか?
といったことも重要です。
僕がおすすめする本はこれ
僕がFXでおすすめしている本はこれです!
世界中で読まれている名著で、初心者の方にも読みやすい内容です。
オリバー・ベレス著『デイトレード -マーケットで勝ち続けるための発想術』
この本では、主にトレードにおける心構えや、トレーダーとして成功する為の思考について書かれています。
特に読んでほしいのが、「勝てないトレーダーが犯しがちな7つの大罪」という項目と、その解決方法です。
- 第1の大罪 すぐに損切りできないこと
- 第2の大罪 利益を勘定すること
- 第3の大罪 時間軸を変更すること
- 第4の大罪 より多くの知ろうとすること
- 第5の大罪 過度に自己満足に陥ること
- 第6の大罪 間違った勝ち方をすること
- 第7の大罪 正当化
これら大項目を見ただけでも、思い当たる節が多くあるのではないでしょうか。
解決方法はさらに重要でした。
- 損失の水準をあらかじめ決めずにポジションをとってはならない。
- 常に、あらかじめ定めた水準で損切りしなければならない。
- どうしても損切りのルールを守ることが難しい場合は、ポジションの半分を損切る癖をつけることから始める。
この本は、全体を通して「トレードのスキルよりも心理的な問題を解決することがトレードではより重要である」ことが書かれています。
もしあなたが今、FXで勝てていないのであれば、書籍に記載の上記7つの大罪を犯していないか、再度自分のトレードを見直してみましょう!
FXとは?全体像を本よりもわかりやすく解説
これからFXを勉強していきたいという人も、FXの概要を覚えておけば本の内容もスムーズに理解できるので、まずはFXの全体像を簡単に説明します。
FXってどんな取引?
FXとは「Foreign Exchange」を略した言葉で、日本語では「外国為替証拠金取引」という意味になります。
2つの国の通貨を交換することで、価格差による利益を狙うのがFXの基本取引です。
例えば、
- 1ドル=100円の時にドルを買う
- 1ドル=110円の時にドルを売る
これで10円の為替差益がでるという仕組みです。
為替レートは需要と供給の関係で動いています。
米ドル/円でいえば、米ドルを円よりも買いたい人が多ければ米ドルの価格は上昇し、ドルを売りたい人が多ければ米ドルの価格は下落します。
その国の政治や経済、金融政策などいろんなことが為替の値動きに影響します。
少額でも大きな取引ができるレバレッジは損失にも注意
「レバレッジ」は、自分が用意した証拠金以上の取引ができる仕組みです。
例えば、10倍のレバレッジを利用すれば、10万円の資金で100万円の取引が可能になります。
国内FXのレバレッジは、金融庁の規制により最大25倍と定められています。
高レバレッジは危ないと言われるのは、大きく儲けられる可能性がある一方で、大きく損する可能性があるからです。
FXで得ることができる2つの利益
FXでは、「為替差益」と「スワップポイント」の2つの方法で利益を得ます。
①売買の価格の差額で発生する為替差益
「為替差益」とは、簡単に言えばこの2つです。
- 安く買って高く売る(円安に動くケース)
- 高く売って安く買い戻す(円髙に動くケース)
値上がりの時だけではなく、値下がりの時でも収益を狙えるのがFXの特徴の1つです。
1ドル=100円のタイミングで買い注文と売り注文をした場合で確認してみましょう。
注文 | 95円 | ⇐ 1ドル=100円 ⇒ | 105円 |
---|---|---|---|
買い | 5円の損失 | 買い注文 | 5円の利益 |
売り | 5円の利益 | 売り注文 | 5円の損失 |
- 1ドル=100円でドルを買った場合、1ドル=105円で売ると5円の利益が出ます。
- 1ドル=100円でドルを売った場合、1ドル=95円で買い戻すとと5円の利益が出ます。
FXは売り買いどちらの取引も可能ですが、相場が自分の思惑と反対に動くときが負ける時です。
例えば米国の政策金利が上昇すると円安に動きやすいなど、読みやすい相場で勝負することも重要です!
②ポジションを保有するだけで発生するスワップポイント
スワップポイントは2つの通貨の金利差が利益となる収益です。
例えば、日本円のような低金利通貨を売り、豪ドルなどのような高金利通貨を買うと、その金利差が利益となるスワップポイントが発生します。
豪ドルの金利が2.1 %、日本円の金利が0.1%とすると、豪ドル/円の通貨ペアを持っているだけで、金利差の2%の日割り分を毎日受け取ることができます。
※実際のスワップポイントは各FX会社で異なるので、個別に確認してください。
スワップポイントは、金額こそ大きくないですが、長期的にポジションを保有する場合には重要な利益です。
メキシコペソやトルコリラなど金利が高い通貨は、スワップポイント狙いで取引するトレーダーもいます。
ただし、高金利通貨は通貨として価値が弱く、長期的には下落傾向になるので、スワップポイント狙いはあまりおすすめできません。
FXの実質的な手数料「スプレッド」
スプレッドとは、FX取引における買値と売値の差のことで、取引のたびにFX業者に支払う手数料のようなものです。
スプレッドは実質的な取引手数料に相当するため、スプレッドが広いと利益を圧迫します。
国内FXが「固定スプレッド制」を採用しているのに対して、海外FXのほとんどは「変動スプレッド制」を採用しています。
固定スプレッド制:スプレッドが相場に左右されないため、思いがけないスプレッドによる利益の圧迫を回避できる
変動スプレッド制:相場の状況によってスプレッドが変動するので、相場が大きく動く局面では注意が必要
変動スプレッド制では、突発的に起こるイベントなどで価格が不安定になり、スプレッドが大きく変動変動することがあります。
- 重要な経済指標の発表の前後
- 突発的なイベント
- 流動性の低い時間帯(年始年末・クリスマス・早朝など)
初心者であれば、はじめはスプレッドが狭くて固定スプレッドを採用している国内FXがオススメです。
例えばGMOクリック証券のスプレッドは、米ドル/円(USD/JPY):0.2銭原則固定、ユーロ/円(EUR/JPY):0.4銭原則固定、ユーロ/米ドル(EUR/USD):0.3pips原則固定なので、他社よりも低コストで取引が可能です。
強制ロスカットと追証が発生するような損失は避ける
FXの主なリスクは、「強制ロスカット」と「追証」です。
リスク① 強制ロスカット
強制ロスカットとは、証拠金の比率がある基準に達した場合、強制的に決済が行われる仕組みです。
強制ロスカットの基準である、「証拠金維持率」はFX会社ごとに違います。
証拠金維持率とは、保有ポジションに対して、口座資金にどれくらい余裕があるかを数値化したものです。
証拠金維持率=時価評価総額÷必要証拠金×100(%)
強制ロスカットの基準は証拠金維持率が50%を下回らない程度と考えておくのが一般的です。
リスク②追証
追証とは「追加保証金」の略称で、口座に預けている資金が一定以下になると求められる保証金のことをいいます。
ポジション保有中の急な価格変動で口座残高がマイナスになりそうな場合、FX業者による強制的なポジション決済(ロスカット)が行われますが、強制ロスカットが間に合わないと追証としてマイナス分をFX業者に支払う必要があります。
例えば土日を挟んでポジションを持ち越して、月曜日に大きく価格が乖離して開始した場合は注意が必要です。
口座に30万円しかなく、50万円の損失が発生した場合、不足分の20万円を国内FXに支払う必要があります。
海外FXではこの追証のリスクを防ぐために、多くの海外FXが「ゼロカットシステム」を採用しています。ゼロカットシステムというのは、口座の有効証拠金を上回る損失が発生した場合、その損失分をFX業者が負担してくれる仕組みを言います。
海外FXではトレーダー保護のためにゼロカットシステムが義務付けられています。
国内FXと海外FXでは損失発生時にこのような違いがあります。
FX業者 | 決済システム | 仕組み |
---|---|---|
国内FX | 強制ロスカット 追証 |
強制ロスカットが間に合わない場合、有効証拠金以上の損失を負う場合がある。 |
海外FX | ゼロカットシステム | 有効証拠金を上回る損失が発生した場合、FX業者が負担してくれる。 |
FXの始め方
FXを始めるのは難しくありません。下記のような流れで簡単にFXの取引ができます。
- FX会社の口座開設
- FX会社の口座に入金
- 取引通貨を選択
- 注文の発注
STEP1:FX会社の口座開設を開設する
僕が国内FXをおすすめする主な理由は、以下の3点です。
- 信頼性、安全性が高い
- 取引にかかるコストが低い
- スムーズな入出金が可能
僕がオススメするFX会社は以下の3社です。
詳細はこちらの『5,海外FXより圧倒的におすすめな3つの国内FX口座』で解説しています。
STEP2:FX会社の口座に入金する
FX口座への入金方法は主に
- 取引画面からの「ダイレクト入金」
- 銀行窓口やATMからの「振込入金」
の2通りがあります。
ダイレクト入金は、取引画面に即時反映ができ、原則24時間手数料無料で入金可能な方法です。
三菱UFJ銀行・みずほ銀行・三井住友銀行・楽天銀行などの大手銀行であればインターネットバンキングから入金可能です。
振込入金は、全国の金融機関窓口やATMから入金する方法です。
振込み手数料は自分で負担しないといけない点と、FX口座へ入金が反映されるまでに時間が掛かることがある点には注意が必要です。
STEP3:取引通貨を選択
次に、どの通貨ペアで売買を行なうかを決定しましょう。
取引を始めばかりのころは、以下の主要3通貨ペアで始めることをおすすめします。
- 米ドル/円
- ユーロ/ドル
- ポンド/ドル
主要通貨ペアで取引するメリットは、取引量が多い(=市場参加者が多い)ほど、テクニカル指標に騙しが少ないことです。
また、FXで利益を出している人ほど、上記の主要3通貨ペアでの取引が6〜8割を占めているというデータも出ています。
FXで勝率を上げる方法をこちらの記事で紹介しています。
STEP4:注文を発注する
通貨ペアを決めたら、最後は注文です。
最初は基本的な「新規注文」と「決済注文」を覚えておけば十分です。慣れてきてから色々な予約注文の方法などを覚えていくといいでしょう。
FXで負けやすいトレーダーは同じような特徴があるので、FX初心者の人はこのようにならないように注意してください。
- 損切りができない
- 資金管理を無視した高レバレッジ
- ポジポジ病になっている
- 勉強不足
- 損切りを徹底する
- 資金管理を徹底する
- 売買に明確な根拠を持つ
- まずチャートの基礎知識を勉強する
書くのは簡単ですが、実践するのは実は難しいんです。
FXでの勝ち方はこちらの記事でも紹介しています。
自分で決める裁量取引とシステムで行う自動売買取引
FXトレードの稼ぎ方には、「裁量取引」と「自動売買取引」があります。
裁量取引とは、いつ・どれくらい売買するべきかを、チャートなどを見ながら、全て自分で考えて取引することです。
自動売買取引は、その名の通り取引ツールを使って自動で売買を行うことです。
裁量取引と自動売買取引のメリットとデメリットをまとめました。
裁量取引 | 自動売買取引 | |
---|---|---|
メリット | ・臨機応変な取引が可能 ・FXのスキルが身に付く |
・時間が無くてもシステムが自動で取引 ・無駄な感情を排除、機械的に取引可能 ・初心者でも知識が不要 |
デメリット | ・感情が入りやすい ・拘束時間が長くなる |
・投資知識とスキルが身に付かない ・怪しい自動売買取引ツールもある |
裁量取引の種類
裁量取引は、決裁までの期間によって以下の3種類に分けることが出来ます。
- スキャルピング
- デイトレード
- スイングトレード
それぞれの取引スタイルの特徴や違いをまとめるとこのようになります。
スキャルピング | デイトレード | スイング | |
---|---|---|---|
トレード期間 | ~数分 | ~1日 | ~2週間 |
利益目標 | ~10銭 | ~1円 | 1~5円 |
チャート(目安) | 1分足・5分足 | 5分足・15分足 | 1時間足・4時間足 |
特徴 | 短時間で小さな利益を積み上げていく超短期売買 | 数十分~1日以内で売買 | 一度ポジションを持ったら数日~2週間と長期のスパンでポジションを保有するトレード方法 |
難易度 | 上級者向け | 中級者向け | 初心者向け |
メリット | ・1回の損失額が小さい ・資金効率が良い |
・資金効率が良い ・翌日にポジションを持ち越さない ・テクニカル指標が比較的効きやすい |
・トレンドに乗れば利益を伸ばしやすい ・長期足のチャートを見るため、テクニカル指標のダマシリスクが低い |
デメリット | ・チャートを常に見る必要があり、トレード技術が必要 | ・デイトレードに向いている通貨ペアはボラティリティが高い | ・トレードチャンスは少ない |
裁量取引のメリット①臨機応変な取引が可能
裁量取引のメリットは、臨機応変な取引が可能なことです。
裁量取引であれば、市場予想と乖離した経済指標が発表されて値動きが激しくなった場合に、一旦指し値注文を取り消して、市場が落ち着くまで様子を見ることもできます。
これが自動売買取引だと、最初に設定した売買ロジックで売買が行われるので、柔軟な取引は難しいです。
裁量取引のメリット②FXのスキルが身につく
裁量取引の2つ目のメリットは、FXのスキルを身に付けられることです。
極端にいえば、一度FXのスキルを身に付けてしまえば、いつでも自分自身の力でお金を稼げられるようになります。
裁量取引のデメリットは、感情が入りやすい、拘束時間が長いことなどがあげられます。
自動売買取引のメリット 忙し人でも取引が可能
自動売買取引のメリットは、仕事中にチャート画面を見れない人でも、システムが自動で売買を行なってくれることです。
また、無駄な感情を排除して機械的に取引可能なので、初心者でも知識が不要であることもメリットといえます。
ただし、自動売買に頼りすぎるといつまでもスキルが身につきません。
怪しい自動売買取引ツールにも注意してください。
FXは本よりチャートを読むべし
たくさんのFXの本を読んで、真面目に勉強をして知識を付けることも大事ですが、それだけではFXで勝つことは出来ません。
なぜなら、FXで勝つには、知識以上に「チャートを読む技術」が必要だからです。
FXで儲けるためには、今後チャートが上昇するか下落するかを予測して、上昇すると思ったら買い、下降すると思ったら売らなければいけません。
未来の動きを予測する精度を上げるには、何度もトレードと分析を繰り返してチャートを読む技術を鍛えていくことが重要です。
最も基本となる「ローソク足」
ローソク足は3種類のチャートの中で最も基本となるチャートで、日本生まれとしても知られているのがローソク足です。
日本の江戸時代に開発された相場の値動きを示すチャートで、ローソクに形が似ていることからそう呼ばれています。
キャンドルチャートとも呼ばれ、世界中で使われています。
ローソク足は1本の足で、一定期間内の「始値」「終値」「高値」「安値」を示しています。
- 始値:期間開始時の価格
- 終値:期間終了時の価格
- 高値:期間中で最も高い価格
- 安値:期間中で最も安い価格
ローソク足チャートでは、ローソク足が示す期間を変えることで、「1分足」「1時間足」「日足」「月足」などを表示させることが出来ます。
自分のトレード期間、トレードスタイルに合わせてローソク足の表示を切り替えて使います。
僕の場合は、「4時間足」をメインにトレンドを把握しつつ、実際のエントリーは、「1時間足」「15分足」をチェックしています。
価格が上昇した足を陽線(ようせん)、下落した足を陰線(いんせん)と呼び、色を分けて表示します。
欧米でよく使われる「バーチャート」
バーチャートがローソク足と違うのは、バーのみで高値と安値を強調していることです。
バーチャートは、為替の方向性を把握しやすいのが特徴で、1本の縦線と2本の横線で構成されます。
見方は、以下の通りです。
- 左側に出た横線が「始値」
- 右側に出た横線が「終値」
- 縦線の上部が「高値」
- 縦線の下部が「安値」
チャートからはこのように判断します。
- 左側の線が右側の線よりも上であれば売りが強い
- 右側の線が左側の線よりも上にあれば買いが強い
時間ごとの終値を繋げた「ラインチャート」
ラインチャートは、時間ごとの終値を繋げたチャートです。
ラインチャートでは、ローソク足のように「始値」「高値」「安値」は分かりません。
ローソク足の陽線、陰線、髭がないため値動きに惑わされにくく、また終値のみでシンプルに価格の方向性を把握しやすいのが特徴です。
超基本のチャート分析方法
FX取引でチャート分析が重要な理由は、チャートを正しく分析して今後の相場の値動きを予測する必要があるからです。
チャートを分析するのに必要なのが、「テクニカル分析」です。
テクニカル分析ではテクニカル指標と呼ばれる「トレンド系」と「オシレーター系」の2種類を使い分けます。
順張りのテクニカル指標「トレンド系」
トレンド系のテクニカル指標は、市場のトレンド(方向性)を見極めることを目的にしているため、「順張り」に適しています。
トレンド系のテクニカル指標を使い
- 「相場が上がり始めたので買い」
- 「相場が下がり始めたので売る」
ことで利益を上げるイメージです。
トレンド系のテクニカル指標として代表的なものに、以下があります。
- ローソク足
- 移動平均線
- ボリンジャーバンド
- 一目均衡表
- パラボリック
逆張りのテクニカル指標「オシレーター系」
オシレーター系のテクニカル指標は、相場が買われ過ぎ、または売られ過ぎといった、相場の『過熱感』を判断する指標で、「逆張り」の取引に用いるテクニカル指標です。
オシレーター系のテクニカル指標を使うことで
- 「相場が売られ過ぎているので買い」
- 「相場が買われ過ぎているので売る」
ことで利益をあげます。
- RSI
- RCI
- ストキャスティクス
- DMI
テクニカル指標にはたくさんの指標があるので、簡単なものから学んでいきましょう。
僕もローソク足や移動平均線などの基本的なものメインに使っています。
ローソク足と移動平均線の詳しい説明は、次項で説明しますね。
チャートを読む上で重要な5つのポイント
チャートを読む上で特に重要な5つのポイントを解説します。
- 移動平均線
- グランビルの法則
- ダウ理論
- ローソク足
- ライン
FXで稼ぎ続けたければ、この5つは理解しておきましょう。
①相場の方向性や強弱を見やすくした移動平均線
移動平均線は一定期間の平均価格を算出した線で、相場の方向性や強弱を見やすくしたものです。
例えば20期間の移動平均線であれば、過去20期間のローソク足の終値の平均値を結んで作られたものです。
移動平均線には、以下の3つの種類が存在します。
- 単純移動平均線(赤線:20SMA)
- 加重移動平均線(黒線:20WMA)
- 指数平滑移動平均線(青線:20EMA)
単純移動平均線は、対象期間中の終値の平均を算出したものです。移動平均線の中で最もシンプルであり、期間中全ての価格が同等に計算されているという特徴があります。
加重移動平均線は最新の価格に重きを置いており、過去の価格ほど比重が小さくなるように算出されます。
通常の単純移動平均線と比べて、直近の動きに敏感に反応するので、トレンド転換の合図を早めに確認できる特徴があります。
指数平滑移動平均線も加重移動平均線と同様に、最新の価格に重きを置いていて、過去の価格ほど比重が小さくなるよう算出されます。
加重移動平均線との違いは、指数平滑移動平均線の方がより直近の価格に対する比重を重く置いているので、移動平均線の中でも反応が最も早いという特徴があります。
移動平均線の見方としては、移動平均線の「方向」と「角度」で、トレンドの有無と強弱が把握できます。
- 移動平均線が上向き:上昇トレンド
- 移動平均線が下向き:下降トレンド
- 移動平均線の角度が急:トレンドの勢いは強い
例えば、移動平均線の角度が急で、上を向いていれば強い上昇トレンド中ということです。
移動平均線の使い方として、例えば移動平均線の短期線と長期線の交差するところを買いや売りのサインとする「ゴールデンクロス」や「デッドクロス」があります。
ゴールデンクロス:短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上へ突き抜けた場合は買いサイン
デッドクロス:短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下へ突き抜けた場合は売りサイン
他にもトレンド発生中に移動平均線にタッチしたらエントリーするという使い方も出来ます。
- 移動平均線のタッチで買いエントリー(上昇トレンドの場合)
- 移動平均線のタッチで売りエントリー(下降トレンドの場合)
といった使い方です。
②売買ポイントを見つけるための理論 グランビルの法則
グランビルの法則は、米国のアナリストである「ジョゼフ・E・グランビル」氏が考案した移動平均線とローソク足の位置関係から売買ポイントを見つけるための理論です。
ジョセフ氏によれば、グランビルの法則で使う移動平均線の期間は200日移動平均線が最も信頼できるようです。
実際に多くのトレーダーが使っているのも200日移動平均線で、僕自身も200日移動平均線はとても機能するので愛用しています。
グランビルの法則には、以下8パターンの売買サインがあります。
①移動平均線が横ばいか、又は上昇している時に、レートがその移動平均線を上抜けた場合。
②「押し目買い」…上昇中の移動平均線をレートが一時的に下回っても、移動平均線の上昇に変化がないとき。
③「買い増し」…レートが、上昇する移動平均線の上方に抜けた後に、移動平均線に向かって下降し、移動平均線を割らずに再び上昇した場合。
④「短期の買い場」…移動平均線が下降中でも、レートが移動平均線から大きくかけ離れて下降した場合。
⑤移動平均線が横ばいか下降している時に、レートがその移動平均線を下抜けた場合。
⑥「戻り売り」…下降中の移動平均線をレートが一時的に上回っても、移動平均線の下降に変化がないとき。
⑦「売り乗せ」…株価が下降する移動平均線の下方に抜けた後に、移動平均線に向かって上昇し、移動平均線を抜けずに再び下落した場合。
⑧「短期の売り場」…移動平均線が上昇中でも、株価が移動平均線から大きくかけ離れて上昇した場合。
③株価の値動きを評価するための理論「ダウ理論」
「ダウ理論」とは、9世紀末にアメリカでジャーナリストをしていたチャールズ・ダウ(1851年~1902年)氏が唱えた、株価の値動きを評価するための理論です。
ダウ理論は、株価だけでなくFXの値動きにも十分通用するもので、世界中のトレーダーが、ダウ理論を意識してチャートを見ています。
ダウ理論は、以下の6つの原則で構成されます。
- 価格(平均)はすべての事象を織り込む
- トレンドには短期・中期・長期の3種類がある
- 価格(平均)は相互に確認されなければならない
- トレンドは出来高でも確認されなければならない
- トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する
1.価格(平均)はすべての事象を織り込む
相場にはすべてのニュース・政策金利・経済指標・要人発言を既に織り込んでいます。
今後の値動きを予測したければ、あらゆる要因を既に織り込んだチャートのみを分析すれば良いという考え方で、テクニカル分析が機能する根拠となります。
2.トレンドには短期・中期・長期の3種類がある
為替レートの値動きは「トレンド」によって支配されている、という考え方です。
ダウ理論では、トレンドは短期・中期・長期の3つに分類されます。
- 短期(小トレンド):数時間~3週間継続する
- 中期(二次トレンド):3週間~3か月継続する
- 長期(主要トレンド):1年~数年間継続する
3.主要なトレンドは3つの段階で形成される
ダウ氏は、長期トレンドが発生してから消えていくまでの過程は、3つの段階で形成されるとしています。
- 先行期:抜け目のない大口投資家が、トレンド転換を察知して仕掛けに入る段階
- 追随期:トレンド転換を確信したプロたちが参入してくる段階
- 利食期:出遅れた一般投資家が参入してくる段階で、先行期・追随期に開始された取引が手仕舞いされる段階
トレンド相場で稼ぎたければ、「先行期」をいち早く見つけるかが大事になります。
4.価格(平均)は相互に確認されなければならない
5.トレンドは出来高でも確認されなければならない
ダウ理論は、工業株価平均と鉄道株価平均で構成されていましたが、当時この2つの指数は異なる動き方を示す傾向がありました。
そのため、「両者が同じ方向性を示さない限り、本格的な上昇トレンド・下降トレンドとはいえない」と考えられていました。
ダウ理論では、トレンドが発生するなら出来高も多くなり、出来高を伴わない場合はダマシの可能性があると考えられています。
ダウ理論の4と5については株式市場を想定しているため、FX相場にこの法則を適用するのはやや困難と言えます。
6.トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する
ダウ理論の中で僕が最も大事にしているのが、この「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する」という考え方です。
これは、一度上昇または下降トレンドが開始すると、その動きはずっと継続する性質があるという理論です。
- 上昇トレンド=為替レートが直近安値を下回らず、直近高値を更新して上昇している状態
- 下降トレンド=為替レートが直近高値を上回らず、直近安値を更新して下降している状態
- 上昇トレンド中であれば、高値の切り上げが出来なかった時
- 下降トレンド中であれば、安値の切り下げが出来なかった時
これが発生した時にトレンドが崩れたと判断します。
下の図で説明すると、上昇トレンドから高値更新が出来ず、安値の切り下げが確定した局面で下降トレンドに転換したと見なされます。
④テクニカル分析の基本 ローソク足
ローソク足の代表的なパターンにはこのようなものがあります。
ですが、ローソク足のパターンや名称をすべて覚える必要はありません。
なぜなら、1つのローソク足の意味を覚えるよりもチャート全体から投資家心理を汲み取っていくことが重要だからです。
ローソクの形状、大きさ、出現するタイミングなどで、「相場が反転しそうなのか?」「市場参加者が同じ方向を向いているのか?」といったことを意識してエントリーや利益確定のタイミングの精度を上げることが重要です。
⑤為替が大きく動くかもしれない ラインブレイク
僕が得意としている手法の1つに「ラインブレイク」と呼ばれる手法があります。
ラインブレイクとは、節目となるレジスタンス・サポートラインに着目して、そのラインをブレイクしていく瞬間にエントリーする手法です。
レジスタンスライン:「上値抵抗線」「抵抗線」
サポートライン:「下値支持線」「支持線」
ラインブレイクは、ラインを抜けると抜けた方向に相場は大きく値動きしていく特徴を利用します。
下のチャートでは、何度も上値を抑えられていたレジスタンスラインを上抜けた後、レートが大きく上昇していることがわかります。
このレジスタンスラインを上抜ける青の矢印のタイミングでエントリーするのが、ラインブレイクという手法です。
ラインブレイクはシンプルな手法ですが、おすすめの手法の1つです。
ラインブレイクを使ってFXで勝ち続けるには、下記を理解してトレードスキルを身に付ける必要があります。
- レジスタンス・サポートライン(水平線)を引ける
- ダウ理論や移動平均線でトレンド状況を把握出来る
1.レジスタンス・サポートライン(水平線)を引ける
為替相場で特に意識されているのは、節目となるレジスタンス・サポートラインです。
レジサポラインを引くときにはこれを意識してください。
- 長期足で意識されているライン
- 何度も相場が反応(反発)している価格帯
このラインは多くの市場参加者が注目しているので機能しやすいからです。
まずはチャート上にラインを正しく引けるように練習していきましょう!
2.ダウ理論や移動平均線によるトレンド状況把握
ラインブレイクは、長期足トレンド方向にブレイクした時のほうが強く伸びやすい傾向があります。
ラインブレイクを実践する際は、前項で説明したダウ理論や移動平均線を利用して、
- 現在トレンドが発生しているのか?
- またそのトレンドは強いのか?
を長期足で把握出来るようにしましょう。
本で勉強しているだけでは足りない!
この記事で伝えたいことは、FXは本で勉強しているだけでは勝てないということです。
FXを本で勉強しているときにやりがちな失敗として、
- 著者に都合のよい過去チャートで学んでしまう
- 上位足のチャートを無視している
- 技術が身に付いたと勘違いしている
ことを説明しました。
この記事の中でも移動平均線やローソク足などについて解説しました。
FXの勝率を上げるには、本を読んで「知識」を覚えるだけでは足りず、「チャートを読む技術」が必要なので、本記事を参考にしてチャートを読む技術を高めていってもらえればうれしいです。
FXで勝つにはこちらの記事も参考にしてください。