最強の手法解説ということで、次は移動平均線です。
移動平均線は、多くのトレーダーが使用しているインジケーターですが、みんなが使っているから、なんとなく反発する場面をよく見かけるから、といった曖昧な理由で使用しているインジケーター№1だと思います。
多くの人が使っている=正しく使うことができれば強い武器になります。
前回の「水平ライン」に引き続き、移動平均線の小手先のテクニックではなく、超実践的なノウハウを解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
メインコンテンツ:「FXはエントリーが9割」
最強手法①:「水平ライン」
最強手法②:「移動平均線」(この記事)
最強手法③:「三尊・逆三尊」
移動平均線の最強手法
今回、文字数でいうとたった5000文字ほどの解説になりますが、これだけで本当に勝てるようになるので、しっかりマスターしてくださいね!
移動平均線とは
移動平均線は「Moving Average」の略で、MA(えむえー)と呼んだりします。
下記の図はドル円の4時間足を切り抜いたチャートで、ロウソクのような形をした図形に付随している緑・赤・水色の線がMAです。
基本的に指定の期間内のロウソク足の終値の平均価格を線で繋げたもので、20MAならロウソク足20本の終値、200MAならロウソク足200本の終値の平均値になります。
チャートの基本であるロウソク足については、下記の記事で詳しく解説しておりますので、合わせてご確認ください。
MAは5の倍数(5,10,20、25、75、100、200)の期間がよく使われ、
- ダウ理論と合わせたトレンド(方向性)の判断
- MAタッチでの押し目買い・戻り売り
- 期間の違うMAの交差による売買シグナル(ゴールデンクロス・デットクロス)
などなど、使い方は多岐にわたります。
一般的に使用されている移動平均線は次の3種類です。
- 単純移動平均線(SMA)
- 指数移動平均線(EMA)
- 加重移動平均線(WMA)
結論を言ってしまうと、指数移動平均線(EMA)が最強です!
それぞれ若干計算式が変わり、直近の値動きにより敏感に反応するのがWMA>EMA>SMAの順になっています。
直近の値動きに敏感に反応すればするほど、トレンドの初動をつかみやすい反面、ダマしに合いやすいという特徴があります。
個人的にWMAを駆使しているトレーダーはほとんど見たことがないです。
今回は稼ぐための超具体的なノウハウに焦点を絞って解説しますが、もし移動平均線の基本についてもっと詳しく知りたいという方は以下の記事をチェックしてください。
結論、EMAが最強
で、結論からいうと、EMA(指数平滑移動平均線)が最強です。
僕もEMAを使っています。
なぜEMAが最強なのかというと、直近の価格に比重をおいた平均線だからです。
赤がSMA、黄色がEMAですが、EMAの方が価格の変化に敏感に反応しているのが分かると思います。
特にEMAは15分足~1時間足でよく機能しますので、この時間軸でエントリーとかトレードする方にとっては非常に使える平均線になります。
SMA:ダマしが少ないが、トレンド転換の初動を判断しにくい
EMA:トレンドの初動を捉えやすいが、ダマしにあいやすい
MACDやその他のインジケーターもEMAを基に派生しているものが多く、多くの人が意識して見ている価格の方が機能しやすい傾向があります。
大きくは変わらないので、基本的にEMAでOKと覚えておいてください。
期間は?最強は200日?
「期間は何にすればいいの?」っていう話なんですけど、結論は「200日」です。
MAの期間設定では5の倍数が良く使用されます。
証券会社の1週間の営業日は月曜~金曜までの5日で、1か月の営業日は20~25日、3か月では~75日、8~10か月で~200日という計算ができます。
日足において、5EMAは直近営業日1週間分、20~25EMAは直近営業日1か月分の平均価格を示しており、日足チャートのEMAを見るだけで週足、月足レベルの価格推移を捉えることができます。
上記理由から、5の倍数がより意識され、日足以外の時間軸でも同様の期間が多くのトレーダーに使用されるようになったと言われています。
残念ながら、200日という数字に絶対的な根拠はありません。
しかし、長期期間の平均として多くのトレーダーに意識されているかつ、グランビルの法則が200EMAを基に考案されたので、難しいことは考えず200日移動平均線を使ってください。
あなたがすることは、200EMAをチャートに入れるだけです。
シンプルですよね。シンプルであるがゆえに、めちゃくちゃ強力です。
手法は押し目買い戻り売り
手法自体もシンプルで、200EMAでの押し目買い・戻り売りです。
チャートでは下記のようなポイントです!
また、200EMAと組み合わせるとより機能する「グランビルの法則」と組み合わせるのも有効な手法です。
米国のジョセフ・E・グランビル氏が提唱した法則で、価格と移動平均線の位置関係・MAとの乖離から売買ポイントを判断するものです。
基本は下記の図のように、200日移動平均線に対し、買い①~④、売り①~④の計8つのポイントで売買を仕掛けることに優位性を見出した法則です。
基本的にこれだけで十分勝てます。
200EMAでの押し目買い・戻り売りとは、グランビルの法則でいう買い②・買い③、売り③・④にあたります。
その他のポイントは少し難しいので、一旦考えなくても問題ありません。
詳しくは実際のチャートで解説していきます。
200EMAの最強手法をチャートで解説
最強の手法を解説するために、チャートを3つ用意しました。
実際のチャートなので、トレードする感覚で見ていただければ分かりやすいと思います。
チャート①
まずは前回の水平ラインの記事でもご紹介した、GBPJPY(ポンド円)の15分足です。
「この後どうなるの?」っていう話は水平ラインの記事でも解説しましたが、
ちょうど200EMAで綺麗に反発しているのがわかるかと思います。
グランビルの法則でいうと買い③の位置になります。
前回はここに水平ラインを引いてましたね。
200EMA単体でも十分勝てますが、レジサポラインとして機能する水平ラインと組み合わせることで、より精度の高い最強手法になります。
チャート②
次はドル円の15分足です。
黒い線が200EMAですね。
赤い枠線が200EMAにタッチしている部分です。タッチして反発、タッチして反発という動きを繰り返していますよね。
もうわかるかと思いますが、
・下のほうでエントリー
・200EMAに当たったところで利確
・反発して下落してエントリー
・また200EMAまで戻ったところで利確
という流れで4~5回ぐらい売買して、細かく利益を取っていくこともできます。
チャート③
最後はユーロドルの15分足です。
このチャートも、200EMAでしっかりと反発しているのがわかるかと思います。
基本的にはずっと上昇トレンドで、押し目を見せて200EMAで反発という動きですね。
グランビルの法則で言えば、200EMAを下に抜けるまでは、買いという立ち回りでOKなのでわかりやすい。
こういう動きは何度も繰り返されますから、本当にこの200EMAだけでも非常にシンプルかつ強力なトレードができます。
移動平均線を使うポイント
最後に、移動平均線を使いこなすためのポイントを2つご紹介しておきます。
ポイント①過去にも反発しているかどうか
200EMAを使いこなすうえで一番重要なのが、過去に何度も反発しているかどうかです。
相場には秩序が存在します。
過去に何回も反発していることで、大勢のトレーダーが意識しますので、同じことが繰り返される可能性が非常に高くなってくるということです。
注意点!
過去何回も意識されている=反発の売買が入っている(損切注文も溜まってきている)
抜ける勢いが強いときは、損切を巻き込んで一気に抜ける可能性があるので、絶対に反発すると過信するのだけは避けましょう!
ポイント②とにかく待つこと
トレーダーの仕事の9割は、待つことなんです。
でも、多くの初心者は欲が先走ってしまって、待てずにエントリーして失敗するんですよね。
俗に言う「ポジポジ病」ですね。
ポジションを持っていないと落ち着かないという状態になっていたら、要注意です。
ポイント③チャートはシンプルに
移動平均線を使っていて「100MAって出した方がいいの?」という質問がめちゃくちゃ多いですが、
これに対する答えは、「出しても出さなくてもどちらでもいい」です。
たとえば30分足の100MAというのは15分足の200MAですよね。
30×100=3000
15×200=3000
なので、移動「平均」線では同じ数値になります。
なので出しても出さなくても良いのですが、複数出してややこしくなるぐらいなら、15分足の200MAだけ見るようにしたほうがシンプルでわかりやすいと思います。
水平ラインのときも言いましたが、チャートはとにかくシンプルにすることが大事です。
100EMAとか200EMAとか、3本ぐらいは出しても良いとは思いますが、できるだけシンプルにしたほうがわかりやすくエントリーできることのほうが多いと思います。
ポイント④ユーロ系やオセアニア系がオススメ
僕の経験上、移動平均線はクロス円よりも、ユーロ系やオセアニア系の通貨ペアが機能しやすいです。
今回はポンド円とかドル円をサンプルとして出しましたが、どちらかというとユーロドルとか、あとはOG系やニュージーランドドル系の通貨ペアが非常に機能しやすいです。
絶対ということではないですが、これは僕が過去にいろいろ検証した結果わかっていることなので、ぜひ参考にしていただければと思います。
中・上級者向け:おすすめのEMAの設定と使い方
最後に僕が独自で使っているEMAの設定とおすすめの使い方を特別に教えます。
EMAの使い方に悩んでいる方は参考にしてみてください!
慣れてきたら複数表示が便利
結論200EMAが最強とお伝えしましたが、他の期間のEMAを組み合わせることで、優位性を上げることができます。
僕がオススメする期間設定は25、75、200EMAの3本です。
移動平均線は単なる売買ポイントだけではありません。
複数の時間軸を入れることで、短期(25EMA)、中期(75EMA)、長期(200EMA)での方向性を把握でき、チャートがどの目線を向いているのか補助的に判断できる材料になります。
例えば、下記画像において、長期トレンドがどっちを向いているのか判断できますか?
これだけだと、高値・安値の変動が多く、トレンドの判断が曖昧ですよね。
EMAを入れたことで200EMA(青)を見ると、長期のトレンドは下方向だということが可視化でできるようになりました。
短期(25EMA)、中期(75EMA)も合わせて下向きであれば、売りの優位性も強くなりますよね!
基本はダウ理論ですが、移動平均線も組み合わせて短期(25EMA)、中期(75EMA)、長期(200EMA)でトレンドを判断する見方も身に着けてみてください!
移動平均線を使った売買シグナル
移動平均線でよく使われるものに、ゴールデンクロス・デットクロスと言われる売買シグナルがあります。
長期の移動平均線を短期の移動平均線が追い抜いていくものです。(強い売りもしくは買いシグナル)
実際のチャートでもこのシグナルは頻発します。
このクロスは、短い時間軸のMAから先に起こります。
このシグナルを活用するときに、200EMAのクロスまで待っていると、トレンドの終盤なんていうことも多々あります。
ゴールデンクロスだから買いではなく、ほかの根拠と組み合わせて売買しすることで優位性を上げることができます!
ゴールデンクロス・デットクロスの注意点については別の記事でも解説しているので、合わせてご確認ください。
次は、三尊・逆三尊!
さて、次は最後の「最強の手法:三尊・逆三尊」の解説です!
この3つを組み合わせることで、実践でも余裕で使えてしっかり勝てる手法が完成しますので、ぜひ最後までご覧いただければと思います。
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