こんにちは!兼業トレーダーのヨシキです!
今回は円高と円安の超わかりやすい解説と、FXの世界でよく使う「ドル高、ユーロ安」の読み方の基礎についてまとめました!
皆さんは「円高」や「円安」って言葉、もちろん聞いたことありますよね?
僕もちょっと前まであいまいな理解なのに、わかったような顔をして周りに話を合わせていることがしばしありました…。
それだけならまだ良いんですが、FXをやるならちゃんと理解していないと絶対に勝てないくらいの基礎知識なんですよね。
そこで本記事では、
- 円高と円安の意味について
- FXの値動きの仕組み
- チャートの見方
などについてFX歴6年の僕がわかりやすく解説していきます。
これからFXを始めたい人にとっては必須内容ですので、バッチリ理解しちゃってください!
円高と円安をわかりやすく解説
円高や円安とは、2つの国の通貨を比べて、どっちが高いか?安いか?ということです。
円高とは、日本円の価値が上がること
日本円を欲しい人が多ければ、円の価値が上がります。
これを「円高」といいます。
1ドル100円の時→100円の支払い。
1ドル90円になった場合→90円の支払い。
同じ1ドルの鉛筆でも、100円で買っていたものが90円で買えるようになりました。
以前より少ない円で同じものが買えてしまうということは、円の価値が高まったということです。
これが「円高」です!
100円が90円になったから円安ということではなかったんですね!
円高になると、一般的には
- 海外製品や資源が安く買える
- 物価が下がり、暮らしが楽になる
- 海外旅行がお得に楽しめる
というような、庶民にとってはうれしいことが多くあげられます。
しかし反対に、商品を輸出している日本企業側から見ると、1ドル100円で売れていた商品が、商品自体は何も変わっていないのに、90円に下がってしまいます。
つまり「輸出を主とする企業にとっては利益が目減りしてしまう」ということにもなります。
円安とは、日本円の価値が下がること
日本円を必要とする人が少なくなると、円の価値も下がります。
これを「円安」といいます。
例えば1ドル100円の為替相場が1ドル110円となった場合、円高の時とは逆に、1ドル100円で買えていた鉛筆が110円を出さないと買えなくなってしまいます。
以前よりも多くの円を出さないと同じものが買えないということは、円の価値が低くなったということです。
これが「円安」です!
円安になると、一般的には
- 農産物やエネルギー資源等の輸入物が高くなる
- 物価上昇で生活圧迫
- 海外旅行も割高
というデメリットがあげられます。
しかし商品を輸出している日本企業は、1ドル100円で売れていた商品が110円になるという事なので「売り上げアップ」となります。
ひいては、「労働者の賃金アップ」にもつながります!
ちなみに2024年現在は『悪い円安』と言われています。「物価上昇で生活圧迫」なのに「労働者の賃金アップ」につながっていないためです。
輸出を主とする大手日本企業の多くは現在、海外に工場の拠点を置いています。そのため円安のメリットを享受できておらず、賃金アップにつながっていないのです。
円安と円高どちらが良いの?
結論、円安だから悪い、円高だから良いということはありません。
上記で解説した通り、どちらにもメリットデメリットが存在します。
現状、1ドル=150円台と、過去の歴史的に見て円安が進んでいる状況です。
理由は日米の金利差拡大などより、金利の高いドルが買われ、金利の低い円が売られている状況が続いているためです。
行き過ぎた円安は、物価上昇などに繋がるので、生活面ではあまりよくありません。
FXにおいては、円安でも円高のどちらでも利益を出すことができるので、むしろチャンスになります。
なぜ円安や円高といった動きが起こるのか?
円安や円高は通貨の値動きによって生じます。
この価格変動がFXの損益に直結します。
FXにおいて通貨の需給バランスが変わる要素は、
- 金利の影響
- 物価の変動
- 輸出入の損益
- 国の財政状況
- その他政治的状況
などが挙げられます。
金利の影響
金利は各国の中央銀行(日本では日銀)が操作しているので、各国の中央銀行の政策が需給のバランスに大きく影響します。
金利が高い=利息が高くなると言い換えることができます。
基本的に金利の高い通貨は買われ、金利の低い通貨は売られやすい傾向があります。
銀行預金で考えればわかりやすいですよね!直近では日銀が実質的な金利の引き上げを行いました。
日銀は、19日まで開いた金融政策決定会合で、「マイナス金利政策」を解除し、金利を引き上げることを決めました。
日銀による利上げはおよそ17年ぶりで、世界的にも異例な対応が続いてきた日本の金融政策は正常化に向けて大きく転換することになります。
しかし円安に全く歯止めがかからないですよね?
下記は世界中の中央銀王が決定した現在の政策金利一覧です。
引用:みんかぶ(政策金利一覧)
世界で比較すると円の金利はほとんどないものに等しいです。
投資するなら、より多くの利息が付く国の通貨を買いたいと思うのが普通ですよね!
物価の変動
物価も通貨の需給に大きく影響します。
物価の上昇(インフレーション)が起こると、今まで買っていた物やサービスの値段が上がり、買いにくくなりますよね。
物価の下落(デフレーション)が起きると、今まで買っていた物やサービスの値段が下がる、買いやすくなります。
上記のように、100円で買えていたハンバーガーが、200円になったら円の価値が下がったという見方ができるんです。
インフレーションの状態では、相対的に通貨の価値が下がり、デフレーションでは上がる傾向にあります。
輸出入の損益
輸出入も通貨変動に直結します。
輸出が活発:海外で売れたモノやサービスの売上を最終的に円に換えるので、円高になりやすい。
輸入が活発:海外のモノやサービスに自国通貨を払うことになり、円を海外の通貨に換えるので、円安になりやすい。
バランスが取れれば良いのですが、貿易赤字が続くと、円売りの方向に進んでしまうということです、
実際に、貿易赤字が続く中で、金利差の影響もあったものの、歴史的な円安が進行しています。
円は対ドルで過去最高値をつけた2011年10月の75円台からアベノミクスによる景気刺激策と日銀の異次元金融緩和があったこともあり2015年6月には125円まで円安が進んだ。貿易赤字の期間にドル円は大きく円安に振れたのだ。
国の財政状況
通貨の需給バランスに財政状況は大きく影響します。
財政が健全であれば、その国が発行する国債が買われたり、経済状況が良ければ株が買われやすくなります。
逆に財政状況が悪いと、国としての信用が下がり、投資はされない傾向になります。
財政は国に対する信用度だと覚えておくと良いです。
分かりやすく言えば、
財政状況良好=通貨の価値が上がる
財政状況悪化=通貨の価値が下がる
ということになります。
その他政治的要因
政治的な出来事も通貨の需給に大きく影響します。
例えば戦争、大統領選挙、政策変更などが挙げられます。
プラスの政策が働いた場合は、投資が活発になり、通貨の価値は上がる傾向にあります。
逆に政策がマイナスに働いた場合は、投資家はその国への投資を警戒し、通貨としては売られてしまう傾向にあります。
政治的要因はなかなか予測が難しいので注意が必要です。
為替差益と為替差損
FXとは、上記のような2通貨間の為替の変動を利用した取引を指します。
円高・円安のように為替相場が変動することで得る利益を「為替差益(かわせさえき)」、逆に被る損失を「為替差損(かわせさそん)」といいます。
為替差益(かわせさえき)とは?
商品の取り引きであれば、
1ドル100円の時に買った(仕入れた)鉛筆を、1ドル110円の時に売れば10円の儲けとなります。
FXの世界では鉛筆等の物品を介せず、通貨そのものを買う、売るというイメージです。
1ドルを100円で買い(100円を1ドルに交換)110円の時に売り(1ドルを110円に交換)
→10円の儲け
という感じです。
これを為替差益といいます。
為替差損(かわせさそん)とは?
同様に、
1ドルを100円で買い(100円を1ドルに交換)1ドル90円の円高状態で売り(1ドルを90円に交換)
→10円の損失
これを為替差損といいます。
FXの値動きとチャートの動き
商品の値段は需要が高まると上がり、需要が下がる(供給が過多となる)と値段も下がります。
通貨の価値もこれと同様です。
そしてFXの価格は2国間通貨の相対的な需給バランスで動きます。
ドルの需要が円よりも高ければ、相対的にドルの価値が高く、円の価値が相対的に低くなるので、「ドル高、円安」と言えます。
ではこの時、FXのチャートはどういう状態になっているのでしょう?
ドル円のチャートの見方
FXのドル円(USD/JPY)のチャートは、「1ドルに対して円がいくらか」の値動きを表しています。
上記のチャートでは
A:1月は1ドル100円
B:2月は1ドル110円
という事になります。
ドルと円の為替相場を見たとき、1ドル100円が110円の状態になることは「円安」といいました。
そして相対的には「ドル高」となります。
つまり、チャートでAからBのように、右上がりに上昇する状態のことを「ドル高、円安」といいます。
ドル円以外のチャートの見方
例えば、ユーロドル(EUR/USD)のチャートの場合はどうでしょうか。
上記のチャートでは
A:1月は1ユーロ0.8ドル
B:2月は1ユーロ0.9ドル
という事になります。
AからBの状態は、ドルの価値は下がり「ドル安」です。
ということは、相対的に「ユーロ高」といえるので、さきほど同様、
AからBのようにチャートが右上がり状態の「ユーロ高、ドル安」ということですね。
一般的に、FXでは、『P国 / Q国』のように表します。スラッシュの左側にあるP国の1通貨単位は、Q国の通貨でいくらになるかという表し方です。
(左側に表示する国には優先順位があり、USD/EURとは表しません。)
チャートが右上がり上昇しているときは、左側に表示されている国の通貨の価値が上がっていると覚えてください!
他通貨ペアの強弱までわかってしまうの?
ここでクイズです!
ドル円チャート上昇かつユーロドルチャート上昇の場合、ユーロと円の関係は、「ユーロ高、円安」と「ユーロ安、円高」のどちらでしょう?
また、ユーロ円のチャートは「右上がり」と「右下がり」のどちらになるでしょう?
先述したドル円とユーロドルが組み合わさっていますね!
わかりましたか?
答えは「ユーロ高、円安」、「右上がりチャート」です。
それでは解説していきますね。
まず、“ドル円チャート上昇”のため「ドル高、円安」です。
これを「ドル>円」と表します。
次に、“ユーロドルチャート上昇”だから「ユーロ高、ドル安」です。
これを「ユーロ>ドル」と表します。
この2つの不等式を合わせると、「ユーロ>ドル>円」となりますね。
つまり、「ユーロ>円」となるので、答えは「ユーロ高、円安」ということです!
そして、ユーロ円(EUR/JPYN)のチャートは、右上がりに上昇していることがわかります。
他通貨ペアのことまでわかってしまうなんて、FXって面白いですね!
FXのチャートの読み方については、以下の記事で詳しく解説しています。
買いエントリーと売りエントリー
小売業では、商品を買って(仕入れて)、仕入れ値より高く売って利益とします。
FXの取り引きでも同様のイメージで、通貨を買うことを「買いエントリー」といいます。
一般的の商売ではもちろ商品を買う(仕入れる)ところから始めますが、
FXでは売りから入る「売りエントリー」の取り引きがあります。
ここでは、「買いエントリー」と「売りエントリー」について解説します!
買いエントリー
「買いエントリー」とは普通の商売と同様に、商品を仕入れて、仕入れ値より高く売って利益とします。
以下は1ドルを100円で仕入れ、110円で売り、10円の利益を出したチャートです。
次は逆に、1ドルを100円で買いエントリーし、90円で決済し、10円の損失となったチャートです。
売りエントリー
FXでは、普通の商売とは違い、先に売りから始めることができます。
これを「売りエントリー」といいます。
株の空売りを知っている人はイメージしやすいと思います。
自分が持っていない株を証券会社から借りてきて、50万円で売ったとします。
株価が下がったので、30万円で株を買い戻して証券会社に返しました。つまり50万で売った株を、30万で買い戻したので、20万円の利益が生まれました。
FXでも同様に、持っていない1ドルを借りてきて100円で売り(売りエントリー)、
レートが下がった90円で買い戻す(決済する)と、10円の利益になるというわけです。
1つ前のチャート図では、Cで買いエントリーし、Dで決済すると損失でした。
しかし同じチャートでも、Cで売りエントリーをすることで、Dの決済では利益となるわけです!
つまり、円高相場や円安相場に関係なく、買いか売りかのエントリー判断をうまくすれば、どちらでも利益を得ることができるわけです。
株の空売りの場合…
例えば米国株だと長期的にみるとずっと株価は上がり続けているので、売りエントリーより買いエントリーに優位性があるといえます。
対してFXは…
長期的にみるとレンジ状態(上がったり下がったりの状態)なので、買いエントリー、売りエントリー、どちらから始めても同様の優位性があるといえます。FXの場合、円高だろうが円安だろうが、どちらでも儲けることができるわけです!逆に、残念ながらどちらでも負けるということも言えます…。
例えば以下のチャートは100円で売り(売りエントリー)、
レートが上がった90円で買い戻し(決済する)、10円の損失になっています。
なので、しっかり勉強しましょうね!
売りエントリーについては、以下の記事で詳しく解説しています!
FXの儲けに直結する「レバレッジ」の仕組み
レバレッジという言葉は、レバー(テコ)からきており、レバレッジとはテコの作用という意味になります。
小さな力で大きなものを動かす仕組みを指しますが、FXでは少額で大きな金額を動かせるということを意味します。
レバレッジという仕組みを働かせることを、「レバレッジをかける」とか「レバレッジを利(き)かせる」という言い方をします。
それでは国内FX業者の上限となっている「25倍のレバレッジを利かせる」とどうなるか。具体的に説明します。
レバレッジをわかりやすく解説
一般の為替取引では、
1ドル100円の時に100万円を1万ドルに両替し、1ドル110円の時にその1万ドルを円に両替すると110万が手に入ります。
→やった~10万円の儲けだ!
100万円で10万円の利益ということは、利益率でいうと10%です。
では、25倍のレバレッジを利かせた状態での、FXの取り引き例を見てみましょう。
FXでは証拠金というものが必要で、この証拠金の範囲で取り引きをすることができます。
25倍のレバレッジを利かせるということは、『証拠金の25倍の取り引きができる』ということです。
例えば、4万円を証拠金として持っていれば、その25倍の100万円の取り引きができるということです。
レバレッジを効かせた取引の場合…
1ドル100円の時、証拠金4万円でその25倍の100万円分、つまり1万ドルの買いエントリーをし、1ドル110円に変動したのでその1万ドルを決済し、110万円を手に入れる
→やった~10万円の儲けだ!
先ほどの一般の為替取引の場合と同じく10万円の利益となりました。
4万円で10万円の利益を得たということは、利益率はなんと250%です!すごいですね!
海外では1000倍のレバレッジもある
国内ではレバレッジは最大25倍となっていますが、海外の業者によっては、500倍や888倍、なんと1,000倍など、国内よりも相当高い倍率となっています。
例えば、レバレッジ500倍で、先ほどと同様の取り引きをすると、4万円で200万円もの利益となります。
同じ為替の動きなのに、
- レバレッジなし:100万円で10万円の利益、利益率10%
- レバレッジ25倍:4万円で10万円の利益、利益率250%
- レバレッジ500倍:4万円で200万円の利益、利益率5000%
このように、少額の元手でも大きな金額を動かして、大きな利益を得られるのがFXです!
ちょっと待ってください!
逆に言うと、失敗すると大きな損失を被るということですので、甘く考えないで下さいね!
実際には、4万円の証拠金で200万円の損失などにならないよう、「強制ロスカット」や「ゼロカットシステム」のような、投資家の保護機能が設けられています。
FXのリスクや危険性については、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
円高や円安とは、どういうことかわかりましたか?
- 円の価値があがることを円高といい、価値が下がることを円安という
- 〇〇国と✕✕国の通貨の価値の相対的な高低を「〇〇高、✕✕安」という
- 買いエントリーでは、チャートの上昇で利益、チャートの下降で損失となる
- 売りエントリーでは、チャートの下降で利益、チャートの上昇で損失となる
- 少額の元手で取引するための「レバレッジ」というシステム
今回は、FXをやるうえでの、基礎中の基礎という内容でした。
全て理解いただけたでしょうか?
他にもFXでの効率的な稼ぎ方や、FXで勝つための記事を公開していますので、お役立てくださいね!