「FXの指値注文とは?」
「成行注文や逆指値注文とはどう違うの?」
「指値注文のやり方を教えて欲しい!」
こんにちは!FX歴6年のヨシキです!
今日のテーマは「FXの指値注文」です。
FXの注文方法に指値注文というものがありますが、初心者の方にはよく分からない方法だと思います。
そこでFX歴6年の僕が初心者目線でやさしく解説します!
- 指値注文とはなにか
- 指値注文の種類
- 指値注文のやり方
- 指値注文のメリット
- 指値注文の注意点
指値注文とは?
指値(さしね)注文とは、買うとき・売るときの価格を現在よりも有利なレートを指定して発注する注文方法です。
有利なレートとは「安いときに買う・高いときに売る」という投資の基本です!
例えば、ドル/円が110円のとき、
100円で指値買い注文をいれたら、価格が100円に下がると成立します。
115円で指値売り注文をいれたら、価格が115円に上がると成立します。
下の図は指値買い注文を入れたイメージです。
つまり「〇〇円になったら買う・売る」と予約注文しておく事です!
逆指値注文とは
逆指値注文とは、名前のとおり指値注文の「逆」です。
指値注文では有利なレートを指定する方法でしたが、逆指値注文では不利なレートでの注文方法です。
あえて不利な注文を入れるのが「逆指値注文」
例えば、ドル/円が110円のとき、115円で逆指値買い注文をいれたら、価格が115円に上がると成立します。
「買い」なら110円よりも下で買ったほう有利ですが、あえて不利な価格で買うようにするのです。
反対にドル/円が110円のとき、105円で逆指値売り注文をいれたら、価格が105円に下がると成立します。
「売り」は110円以上で行なったほうがお得ですが、あえて不利な位置でするのです。
トレンドフォロー狙い
なぜ不利な注文をするかというと、以下の2つを目的としているためです。
- 価格の上昇・下降の勢いについていくトレンドフォロー
- 損失の拡大を防ぐ損切り(損失を確定させる行為)
価格の上昇・下降の勢いについていくトレンドフォロー
相場はあるラインを超えるとそのまま勢いづくことがあります。
その価格の波(トレンド)が始まりそうなポイントに逆指値注文を入れることで大きな利益を狙えます。
価格の波が始まりやすいポイントの代表例は「水平線」です。
水平線とは、上記のようなチャートに引く水平のラインです。
おもにチャートで価格が何度も反発している箇所に引きます。
価格が何度も反発している箇所は大勢のトレーダーが注目しており、そこを基準に売買することが多いため、価格がそこまでくると相場が反転することが多いのです。
水平線を引いておけば、指値注文を入れるポイントが分かりやすくなっておすすめです。
「あるライン」についてはこちらの記事でも解説しています。
損失の拡大を防ぐ損切り
すでにポジションを持っている場合、損切の決済方法として活用できます。
例えば、ドル/円を120円で買ったあと、118円で損切りしたくなったとしましょう。
この場合、118円に逆指値注文を入れておけば、レートが118円になった瞬間に自動で損切り注文が発注されます。
また、利益が出ている場合、利益分が減る前に決済してしまう役割にも使えます。
ドル/円を129円で買ったとします。
その後、相場が順行してが131円になったあと、130.5円や130円などに逆指値を入れておき、相場が逆行したときに利益がゼロになるのを防止するのです。
成行注文とは
成行(なりゆき)注文とは、レートを指定せずに現在のレートで即時に発注する方法です。
価格の変動を待つ指値注文や逆指値注文とは違い、リアルタイムで確実に取引する方法です。
例えば、ドル/円が110円のとき、その提示レートでレートを指定せずに買い注文・売り注文をします。
すぐに売買が成立するものの、レートを指定しないため、提示レートできちんと売買できるかは分からないのが欠点です。
「今すぐに買いたい!売りたい!」というときに使用されるのが一般的です。
例えば、相場に勢いがあり、すぐに注文を発注しないと間に合わない緊急性の高いときなどです。
ただ、値動きが激しい時などはスリッページが発生する危険があります。
発注したレートと約定したレートにずれが生じること
(FXでは注文が成立することを約定(やくじょう)といいます。)
相場は常に動いているため、発注した注文がFX会社のサーバーに届くまでのわずかな時間に、変動してしまう可能性があるのです。
【指値注文の応用編】3つの注文方法
指値注文には、応用として以下のように3つの種類があります。
- IFD注文
- OCO注文
- IFO注文
それぞれ解説していきます。
IFD注文
新規の指値(逆指値)注文と決済注文を同時に発注する注文方法
「〇〇円になったら新規で買う(売る)、そのあと〇〇円になったら決済する」という感じです!
IFD注文には、新規買い(売り)から決済までを、自動化できるメリットがあります。
OCO注文
2つの注文を同時に発注し、どちらかが成立すると片方はキャンセルされる注文方法
例えば、米ドル/円の相場が1ドル100円のときに、
「95円で買う」・「105円で売る」と2つの注文を同時に発注します。
そしてどちらかが成立すると、もう片方は自動的にキャンセルされます。
OCO注文はおもに2つの用途で使用されるのが一般的です。
ひとつめは、指値注文と逆指値注文を同時に発注することです。
つまり利益確定と損切りの注文を同時に発注するのです。
例えばドル/円を110円で新規買いしたあと、
OCO注文を使って115円に指値注文、108円に逆指値注文を入れます。
このようにすれば、115円で利益確定、108円で損切りが自動化できるのです。
ふたつめは、相場の方向性に合わせて買いと売りを発注することです。
例えば、「レンジ相場」で仕掛けておいて、「ブレイクアウト」を狙うという戦略はよく取られます。
※レンジ相場とは、方向感がない相場。
※ブレイクアウトとは、レートがあるポイントを超えることで相場の動きが激しくなる現象。
上の図のようなレンジ相場を超えるとブレイクアウトが起きやすいため、レンジの上下にOCO注文を出しておくのは、とても有効です。
IFO注文
IFD注文とOCO注文を同時に発注する注文方法
新規注文と決済注文、逆指値注文の3つを同時に発注します。
注文は以下のようになります。
- 新規注文:120円・買い
- 決済注文:123円・売り
- 逆指値注文:119円・売り
上記の場合、まずは120円の新規買いが発注されます。
120円の新規買いが成立しますと、123円の決済売りと119円の逆指値買いが自動で発注されます。
この後は、どちらかの注文が成立するともう片方の注文はキャンセルされます。
このように3つの工程をすべて自動化できるため、かなり優秀な注文方法になります。
明確に買いたい(売りたい)レートが決まっているなら、IFD注文で仕掛けておくのがおすすめです。
指値注文の3つのメリット
指値注文のメリットは次の3つです。
- トレード計画が狂いにくい
- チャートの前に張り付かなくて良い
- 感情的なトレードを防止できる
トレード計画が狂いにくい
指値注文は指定したレートにならなければ注文は成立しないため、それ以外のレートでポジションを保有してしまうことはありません。
そのため、トレード計画が狂いにくいのです。
例えば、現在のドル/円レートが115円だとしましょう。
そして110円まで下がったら買う、それ以外は絶対買わないと決めておきます。
指値注文なら、注文を設定したらあとはレートが110円になるまで待つだけです。
もし、110円にならずにそのまま上昇してしまったら、次のトレードチャンスに頭を切り替えれば良いのです。
とくに初心者のうちは、成行注文で余計な取引をしてしまいがちです。
「今回だけだから・・・」などと、トレード計画を無視し、その場で判断してしまうのです。
指値注文であれば、相場をみて考える時間があるため、余計な取引を防げます。
チャートの前に張り付かなくて良い
指値注文は一度入れておけば、半自動化できます。
指定したレートになれば、自動的に注文を成立させてくれるため、チャートの前に張り付く必要はありません。
チャートの前でトレードすると、どうしても時間が拘束され、できることも限定されてしまいます。
しかし、指値注文を使えば、好きなことや趣味などに使える時間を増やすことができるというメリットがあるのです。
感情的なトレードを防止できる
指値注文を使えば、チャートに張り付かなくても良いため、ストレスを抱えにくく淡々とトレードすることが可能です。
チャートの前でじっとチャンスを待っている場合、
いつまでもチャンスが来ずに焦れてしまい、感情的になって計画外のトレードをしてしまうこともあります。
そして「悔しい!負けた分を稼がなきゃ!!」とムキになって取り返そうとし、また負ける…といったループに陥ることも・・・。
結果、かなり大きな損を出してしまう可能性もあるのです。
指値注文のやり方(発注の手順)
「DMM FX」を例に、スマホアプリで指値注文のやり方を解説します。
発注するときの設定項目は以下の4つです。
- 決済対象ポジション・注文数量
- 執行条件
- 注文レート
- 有効期限
出典:DMM FX
①まずは指値注文するポジションを選択します。
その後、注文する数量を決めます。DMM FXでは1万通貨単位です。
②執行条件では「指値」か「逆指値」かを選びます。
新規ポジションを建てる&利益確定の注文を入れる際は「指値」、
損切りを入れる際は「逆指値」を選べばOKです。
③注文レートでは指値注文するレートを決定します。
買いたいor売りたいレートを入力してください。
④有効期限では、発注した指値注文をいつまで有効にするかを決めます。
DMM FXでは
- 今日中
- 今週中
- 無制限
- 期限指定
の4つから選択可能。とくに指定がないのであれば、無制限にしておいて問題ありません。
以上が指値注文のやり方です。
今回はDMM FXで解説しましたが他社でも大きな違いはありません。
指値注文を入れる場所とは
指値注文を入れる場所は現在レートから有利な位置です。
「買い」であれば現在レートよりも下、「売り」であれば現在レートよりも上です。
ただし、単純に有利な位置に入れれば良いというわけではありません。
「レートが動くポイント」に注文を入れることによって勝率を上げることができます。
もっとも分かりやすいのは「レンジの上限・下限」かと思います。
レンジの上限までレートが来ると反転して下降しやすく、逆にレンジの下限までレートが来ると反転して上昇しやすという傾向があるのです。
そのため、
- レンジの下限にいるときは上限に売りの指値注文を出す
- レンジの上限にいるときは下限に買いの指値注文を出す
というようにすれば、レンジの反転の習性を利用して指値注文で自動的にトレードできます。
まとめると、指値注文を入れる場所は「現在レートより有利な場所」+「レートが動くポイント」です。
逆指値注文を使ったエントリー方法
逆指値注文は損切りだけでなく、エントリーにも使えます。
逆指値注文でも指値注文と同様に「レートが動くポイント」に注文を入れます。
ただし、逆指値注文では指値注文と異なり、現在レートから不利な位置に注文を入れます。
代表的なポイントは次の2つです。
- レンジの上下
- 直近高値と直近安値
実際のチャート画像を使いながら解説していきます!
レンジの上下
レンジを超えると相場が大きく動くことが多いです、
そのためレンジの上下が指値注文を入れるポイントとしておススメです。
レンジでは買い手と売り手がバトルをしていますが、レンジを超えると決着がつきます。
負けたほうは諦めて損切りをするため、損切り注文が沢山されることになります。
つまりレンジを超えたときの損切が推進力となって、相場に勢いがつくのですね!
買いのケースでレンジのブレイクアウトを狙うなら、以下のように置きます。
レンジの上限より少し上に置くのがポイントです。
なぜならレンジの上限で反転して下落するというパターンがよくあるためです。
ブレイクアウトが起こってから買いたいため、少し上に置くのがおすすめなのです。
売りのケースでレンジからのブレイクアウトを狙うなら、以下のように設置します。
売りの場合もブレイクアウトが起きてから売りたいため、下限のラインより少し下に入れます。
直近高値と直近安値
直近高値と直近安値とは、言葉のとおり直近の高値と安値になります。
直近高値と直近安値もレンジほどではありませんが、レートが更新されると相場が動くケースが多いです。
直近高値と直近安値が更新されると、それまでの上昇または下降が再開したと判断して新規注文を出すトレーダーが増えるからです。
買いのケースで直近高値のブレイクアウトを狙うなら、次のように設置します。
レンジの場合と同じく、直近高値よりも少し上に置くのがポイントです。
売りのケースで直近安値のブレイクアウトを狙うのであれば、次のように設置します。
こちらも直近安値より少し下に置くのがポイントです。
指値注文の注意点
指値注文の注意点は次のように「注文が成立せずに取引機会を逃す」場合です。
- 現在のレートから離れすぎたレートで設定した場合
- 相場の勢いが強いときに流れとは逆の位置に設定した場合
現在のレートから離れすぎたレートで設定した場合
現在のレートから指値注文を入れるレートの距離が遠いほど、注文が成立する可能性が低くなります。
できる限り、有利な位置で成立させたいという思いはわかりますが、注文が成立しなければ意味がありません。
具体的にどのくらいが離れすぎかを数字で言うのは難しいです。
トレードの時間軸や通貨ペア、ボラティリティ(値動きの幅)によって異なるためです。
実際のところは、トレードをしてみて感覚をつかむしかありません。とはいえ、以下のような場合は明らかに遠くに置き過ぎです。
感覚をつかむまでは、指値注文は相場と同じ方向に入れておくのがおすすめです。
相場が上昇するのであれば上方向、下降するのであれば下方向に入れます。
相場の流れと逆の位置に設定した場合
相場の勢いが強いときに、逆方向に指値注文を入れると成立しない可能性があります。
例えば上昇トレンドのときに、指値注文で現在より下のレートに入れるというようなケースです。
そのままレートが上昇してしまい、戻ってこないことが多々あります。
「トレンド中でも相場が一直線に進むわけではなく、上下しながら進んでいるから大丈夫なのでは?」と思うかもしれませんね。
確かにそのとおりです。トレンド相場でも以下のようにジグザグと上下しながら進みます。
しかし、正確な相場の動きは誰にも分からないため、どこに指値注文を入れたらよいか予測するのが難しいです。
そのため、相場の勢いが強いときは、不利な位置(逆指値注文)となっても相場と同じ方向に注文を入れるが良いのです。
まとめ
指値注文とは、事前に指定したレートに予約注文することです。
対して、発注した瞬間に注文が成立するのが「成行注文」にです。
指値注文には応用として、「IFD注文」・「OCO注文」・「IFO注文」があります。
発注と同時に決済や損切りを出せて非常に便利ですので、ぜひ使いこなせるようになっておきたい注文方法です。
指値注文のメリットは次の3つです。
- トレード計画が狂いにくい
- チャートの前に張り付かなくて良い
- 感情的なトレードを防止できる
指値注文は「レンジの上下」・「直近高値と直近安値」の2つに入れるのがおすすめです。
トレンドの見極め方などはこちらの記事も参考にしてみてください。