「移動平均線ってなに?使い方は?」
「移動平均線で勝てるようになるの??」
こんにちは!FX兼業トレーダーのヨシキです。
今回は、多くのトレーダーが使用している移動平均線についてFX歴6年の僕がわかりやすく解説します。
また、移動平均線を使った最強のトレード方法についても伝授していきます!
- 移動平均線とはなにか
- 移動平均線を見方や使い方
- 移動平均線を使って勝つコツ
- 移動平均線を使う上での注意点
最後までごゆっくりご覧ください。
移動平均線ってなに?
移動平均線とは過去一定期間の終値の平均をグラフ化したものです。
※終値とは取引が終わるときに確定した価格
移動平均線はMA(Moving Average)とも呼ばれています。どのプラットフォームでも基本的にはmoving averageと表示されています。
チャートを分析する上でもっとも基本的な分析方法とされ、多くのトレーダーが移動平均線を用いて分析を行っています。
統計的な分析のため、平均値を求める期間(ローソク足の本数)を短くすれば、直近の値動きに影響されやすくなります。
逆に、算出期間を長くすることで、直近の値動きの影響を受けにくく緩やかに曲線を描きます。
5期間(ローソク足5本分の平均値で作られた移動平均線)の移動平均線と
20期間の移動平均線を例に見てみましょう。
データの少ない期間5はローソク足についていくように張り付いていますよね。
期間20では、緩やかにローソク足に沿う形になっています。
期間をさらに伸ばせばもっと緩やかな平均線を描くということになります。
移動平均線にはいくつか種類もあり、自分のスタイルに合ったものを使っていくことが大切です。
移動平均線の種類と計算方法
一般的に使用されている移動平均線は次の3種類あります。
- 単純移動平均線(緑色)
- 指数平滑移動平均線(赤色)
- 加重移動平均線(青色)
3種類の特性を知った上で、選択していくことをおすすめします。
それぞれ説明していきます。
単純移動平均線(SMA)
単純移動平均線は一定期間の終値の平均をそのままグラフにしたものです。
SMA(Simple Moving Average)と呼ばれています。
5単純移動平均線(5SMA)場合
(本日の終値+昨日の終値+2日前の終値+3日前の終値+4日前の終値)÷ 5
このように単純移動平均線は単純に平均値を割り出しています。
3種類の中で1番値動きへの感度が鈍い移動平均線です。
急なローソク足の動きにもゆったりついていくのが特徴です。
しっかりトレンド(方向性)が出てから狙いたい人や、FXを始めたばかりの人は単純移動平均線がおすすめです。
指数平滑移動平均線(EMA)
指数平滑(しすうへいかつ)移動平均線は、最新の終値に比重を置いた移動平均線です。
EMA(Exponential Moving Average)と呼ばれています。
単純移動平均線に比べると、直近の値動きに対する反応が良いため、価格が上昇し始めるところや、価格が下降から上昇に変わるタイミングを早く察知することができます。
5指数平滑移動平均線(5EMA)の場合
(本日の終値+本日の終値+昨日の終値+2日前の終値+3日前の終値+4日前の終値)÷ (5+1)
このように本日の終値を2回たすことで直近の動きに反応しやすい仕組みです。
値動きへの反応が早いのが特徴である反面、急な上昇や下落などに引っかかってしまうリスクもあります。
トレンドを初動から狙っていきたい人におすすめです。
加重移動平均線(WMA)
加重移動平均線は、指数平滑移動平均線と同じように、直近の価格に重みをかけて値動きに対する感度を高めた移動平均線です。
WMA(Weighted Moving Average)と呼ばれています。
直近の価格ほど、さらに重要度を大きくしているため、ローソク足に移動平均線がついていきやすいです。
3つの中で最も早くトレンドや、値動きに反応しやすい移動平均線です。
5加重移動平均線(5WMA)の場合
(本日の終値×5+昨日の終値×4+2日前の終値×3+3日前の終値×2+4日前の終値×1)÷ 15
このように本日の終値に近づくにつれてほど重さをかけることで、直近の値動きにいち早く反応できる仕組みです。
指数平滑移動平均線と同じく、急な上昇や下降に気をつけながらトレードを行う必要があります。
こちらもトレンドを初動から狙っていきたい人におすすめです。
移動平均線の見方・使い方
移動平均線は相場が上昇しているのか・下落しているのかといった、トレンドを見分ける最適な分析ツールです。
それでは、トレンドという視点で移動平均線の見方や使い方について説明します。
トレンドの見極め
移動平均線の向きによってトレンドを見極めることができます。
基本的に
- 移動平均線が上向きの時…【上昇トレンド】
- 移動平均線が下向きの時…【下降トレンド】
- 方向が定まっていないとき…【レンジ(横ばい)】
と判断できます。
上昇トレンドの例
移動平均線が上向きの状態で、買いが有利な局面となります。
下降トレンドの例
上昇トレンドの逆で移動平均線が下向きの状態で、売りが有利な局面となります。
レンジ(横ばい)の例
移動平均線が角度なく横に向いている状態で、買いと売りが張り合い、どっちつかずの局面になります。
レンジ(横ばい)では、力を溜めている状態と言われており、上下どちらかに抜けると再度トレンドが発生します。
トレンドの強弱
トレンドの強弱は移動平均線の角度を見ることで判断できます。
上昇トレンドを例に見てみましょう。
移動平均線の角度が急であれば強いトレンドです。
角度がつきすぎると、平均へ戻ろうとする力が働くため大きく反対方向へ動く可能性があります。
逆に角度が緩やかであれば弱いトレンドとなります。
緩やかなトレンドは継続しやすい特徴があります。
トレンドの転換
一般的にトレンドの転換は短期・中期・長期といろいろな期間の移動平均線を表示させることで判断できます。
2つ表示させた移動平均線が交わる点を
- ゴールデンクロス
- デッドクロス
と呼んでいます。
ゴールデンクロス
短期移動平均線が長期(中期)移動平均を下から上に抜けていくときに交わる点のことです。
売りの流れから、買いの流れに転換したということを表しています。
デッドクロス
短期移動平均線が長期移動平均線を上から下に抜けていくときに交わる点です。
買いの流れから、売りの流れに転換したことを表しています。
このように移動平均線を応用して使うことで、トレンドの転換を知ることができます。
移動平均線の設定方法
移動平均線をチャート上に表示する方法についてPC編とアプリ編にわけて解説します。
移動平均線の表示の仕方(PC版MT4編)
まず最初にナビゲーターを開きます。
「インディケーター」→「トレンド」と進み、
「Moving Average」をチャート上にドラッグ&ドロップします。
すると、次のような設定画面が表示されます。
パラメータの画面で「期間」や「移動平均の種別」を選択します。
「表示移動」や「適用価格」は変更の必要はありません。
表示選択画面では、どの時間足に表示するかを選択することができます。
例えば、4時間足だけに20SMAを表示するなどが可能です。
表示させたい期間や時間足の選択が完了したら「OK」をクリックして完了です。
移動平均線の表示の仕方(アプリ版MT4編)
アプリ版MT4での移動平均線の表示の仕方を簡単に解説します。
まず、赤枠をタップします。
「Moving Average」を選択します。
次は設定です。
ここの画面から「期間」と「メソッド」の設定を行います。
「メソッド」の選択画面で、単純移動平均線・指数平滑移動平均線・加重移動平均線の選択ができます。
「適用先」は基本的にClose(終値)で変更はしなくて大丈夫です。
あとは「完了」を押すと表示されます。
移動平均線おすすめの設定期間値は?
期間の設定は、それぞれのスタイルがありますので自分に合った期間を探すことが重要です。
FX歴6年の僕がチャートに表示しているのは、200EMAだけです。
いろんな人が使う期間だからという単純な理由ではありますが、多くの人が使い、意識するということは、価格に与える影響も大きいという事になります。
移動平均線を使った最強手法
ここまで、移動平均線について説明しましたが、大事なのはいかに上手く使いこなせるようになれるかです。
では、FX歴6年の僕が利益を残してきた移動平均線の最強手法を3つ紹介します。
移動平均線の収縮と発散での狙い方
チャートは、収縮と発散を繰り返すことで形成されていきます。
具体的には、
上昇→レンジ→上昇→レンジ…
このように力を発散させては溜めてを繰り返します。
収縮(力を溜める)=移動平均線が収束してくる
発散=移動平均線が離れていく状態
移動平均線を使えば力を溜めるタイミング、発散するタイミングが見えるようになります。
赤丸した箇所が収縮状態です。3本(短期・中期・長期)の移動平均線が絡まっています。
収縮状態になると、値動きが限定的になるので、その状態になればエントリーの準備を進めます。
そして3本の移動平均線がすべて同じ向きに発散し始めた瞬間がエントリーのタイミングです!
収縮中にエントリーしてしまうと意図しない方向へ進んで戻ってくる(ダマシ)に合う可能性がありますので、発散し始めてからエントリーしましょう。
- 上向きなら買いエントリー
- 下向きなら売りエントリー です!
収縮が長い期間続いた場合、発散した時に大きく動く可能性が高いため狙い目ですよ!
移動平均線と水平線を使った狙い方
大きな時間足で引けた水平線に対しての移動平均線の動き方に注目したトレードです。
ローソク足の高値同士、安値同士を水平に結んだ線で、月足、週足、日足などで引ける水平線は意識されやすく重要視されます。
重要な水平線は価格の反転ポイントになりやすい特徴があります。
重要な水平線に価格が到達後、そのまま水平線を抜けるのか抵抗されるのかを判断するのはとても難しいですが、ローソク足ではなく、移動平均線が抜けるか抜けないかを見るだけなので、とてもシンプルな方法です。
例を見てみましょう。次の2本の線に注目してください。
黄色い線…水平線
紫色の線…移動平均線
赤丸の方は、手前で移動平均線が水平線を抜けた後、戻る動きを見せていますが、結果的に抜けることができず、下落しています。
→売りのサイン
黄丸の方は、手前で一旦抜けた後、水平線まで下がってきましたが、再度抜けることができず、上昇しています。
→買いのサイン
黄丸の方は移動平均線の収縮も重なり、この後大きく上昇しています。
このように移動平均線が水平線を抜けるかどうかに注目して、売買のタイミングを狙う方法です。
重要な水平線の引き方や詳しいトレード方法はこちら
移動平均線とトレンドラインを使った狙い方
相場の方向性を分析するために引く線のこと。基本的には安値同士、高値同士を斜めに引く。
今回は移動平均線の山同士、谷同士で結ぶトレンドラインを使った狙い方です。
赤色の線…一般的なトレンドラインの引き方
緑色の線…移動平均線で引いたトレンドライン
移動平均線でトレンドラインを引く理由は、一般的なトレンドラインよりも精度が高いと考えられているからです。
移動平均線で作られたトレンドラインを抜けた場合に、現在のトレンドが崩れて、違う流れが発生する可能性という事をいち早く察知できます。
狙い目は引いたトレンドラインを移動平均線が抜けたポイントです!
トレンドラインを移動平均線が抜けたときにエントリー、またトレンドラインに戻ってきてしまったら損切り。という非常にシンプルな方法です。
ゴールデンクロス・デッドクロスの注意点
大前提として、移動平均線は価格の動きを後追いしているものであり、未来を完璧に予測できるものではありません。
とくに注意が必要なのがゴールデンクロス・デッドクロスを使ったトレードです。
その主な理由は次の2点です。
・ダマシがある
・レンジ相場では機能しない
ダマシがある
売買のサインと逆の方向に相場が動いてしまうこと。
ダマシの例を見てみましょう。
こちらはデッドクロス(売りのサイン)なのに、その後相場が上昇しています。
クロスを根拠に赤丸あたりでエントリーしてしまうと、損失となります。
レンジ相場では機能しない
レンジ中の移動平均線を見てみましょう。
移動平均線が何度も交わり値動きが激しい状態が分かりますね。この場合、ダマシが出やすくなります。
本来の目的であるゴールデンクロス、デッドクロスを使った「トレンド転換の見極め」としても使えないため、まったく機能していない状態です。
相場の7割はレンジと言われています。つまり、ゴールデンクロス・デッドクロスのみをエントリー材料にしてしまうと7割は勝てないということになります。
ゴールデンクロス・デッドクロスを使う場合は、複数のエントリー根拠や分析ツールを組み合わせて勝率を上げていきましょう。
まとめ
今回は、移動平均線について・移動平均線で稼ぐ最強の手法というテーマで解説しました。要点をまとめると以下のとおりです。
- 移動平均線とは、数期間のローソク足の平均値をもとに描かれた分析ツール
- 移動平均線は、単純移動平均線、指数平滑移動平均線、加重移動平均線の3種類が主に使われており、それぞれの計算方法にも特徴がある
- 移動平均線を使えばトレンドを見極められる
- 移動平均線は使い方によって稼げる分析ツールになる
他にも「これからFX始めたい」という人向けに、口座解説からわかりやすく説明した記事もありますので、ぜひご覧ください。