「金利ってなに?」
「FXと金利って関係あるの?」
「金利で稼ぐことはできる?」
こんにちは!FX歴6年のヨシキです!
今日のテーマは「金利」についてです!
よくニュースで「日本は金利は安いから…。」「金利が上がるとローンに影響が…。」という話題を聞きますが、なんとなく聞き流している方も多いのではないでしょうか。
僕も恥ずかしながら投資の勉強をするまで、金利についてさほど知識はありませんでした。
しかし、FXなどの投資をはじめるなら、まず覚えるべき仕組みが「金利」だったのです。
そのため、FXの勉強のファーストステップとして、この記事で情報を共有していきたいと思います。
そして金利の利息で稼ぐ方法として重要な「スワップポイント」。
通貨ペアを持ち続けるだけの、一見美味しそうに見えるこのスワップポイントについも、金利の仕組みと合わせ、FX歴6年の経験を活かしてしっかり解説していきます!
- 金利の仕組みと種類
- FXと金利の関係
- スワップポイントについて
- スワップポイントの注意点
金利とは
金利とは、お金を借りたときに、借りた元本に上乗せされる利息の割合のことをいいます。
つまりお金を借りる人にとっては、
- 金利が低いと、後で支払う利息が少なくて済むので嬉しい
- 金利が高いと、返すお金もより多くなるため苦しい
ということですね!
そのため金利が低いと、みんながお金を借りやすくなり、物やサービスの購入が増える。
→経済がどんどん活発に!
逆に金利が高いと、みんなお金を借りてまで物やサービスを購入しようとは思わなくなり、経済にお金が回らなくなる。
→国の景気が抑制される
と言われています。
金利の種類
金利には、貸し出す期間によって、「短期金利」と「長期金利」の2種類があります。
- 短期金利:1年未満お金を借りる場合の金利。代表例は政策金利
- 長期金利:1年以上お金を借りる場合の金利。代表例は10年物国債
それぞれ解説していきます。
短期金利
短期金利は、取引期間が1年未満(数日~数ヶ月程度)の金利のことです。
普通預金や1年未満の定期預金などは短期金利です。
また、短期金利は「政策金利」とも呼ばれ、日本銀行が国の政策で金利をコントロールすることができます。
中央銀行のこと。政府の銀行。
長期金利
長期金利とは、取引期間が1年以上の金利のことです。
1年以上の定期預金や10年物国債などは長期預金です。
国が発行している債券(さいけん)のこと。
国にお金を貸し、利息をつけて返してもらう。という感じですね。
日本銀行がコントロールできるのは短期金利ですが、あまりにも情勢が悪い時は、国債の買い入れなどで長期金利をコントロールする場合もあります。
2022年12月20に日本銀行が金融緩和政策として「事実上の利上げ」を発表したことが話題になりましたね。
長期金利の変動幅を±0.25%→±0.50%へ拡大するという内容です。
現在は世界的に金利が上昇しているため、変動幅を増やした分、金利の上昇が見込まれるため、「事実上の利上げ」と言われています。
長期金利はどうして動くの?
長期金利は、主にその国のお金に対する「需要と供給」のバランスで動きます。
需要と供給のバランスは具体的に、この3つで決まると言われています。
- 【景気】 景気が良いと金利が上がり、景気が悪いと金利が下がる
- 【物価】 物価が上がれば金利が上がり、物価が下がれば金利も下がる
- 【為替相場】 円安になれば金利が上がり、円高になれば金利は下がる
詳しく解説していきますね!
景気が良いとき、悪いとき
長期金利は経済の基礎体温とも言われており、
- 景気が悪くなれば長期金利は低くなる
- 景気が良くなれば長期金利は高くなる
というのが一般的です。
景気とは、簡単にいうと国全体で商売がうまくいっているかどうか、ということです。
景気が良いとき
みんなの商売やお仕事が上手くいっているため、お金に余裕があり、物やサービスをより多く購入します。そして企業は生産を増やすために、設備にお金をかけようとします。
→お金の需要が見込まれるため、金利が上がる
景気が悪い時
みんなの商売やお仕事がうまくいかず、お金に余裕がないため、物やサービスを買わなくなり、企業も物の生産を控えます。
→お金への需要が低下し、金利は下がる
(金利を下げてお金を借りやすくすることで、より経済を活性化させようとする動きになるため)
物価が上がる時・下がる時
一般的に、物価が上がると金利も上がり、物価が下がると金利も下がります。
物価が上がるとき、つまり物の値段が上がると言われたら少しでも安いうちに物を買おうとしますよね。そのため、多くのお金が使われます。
→金利が多少高くても、お金を借りたい人が増えるため、金利は上がります。
反対に物価が下がると、物やサービスを買うために必要なお金も少なくなります。
→お金を借りたい人が減るため、金利は下がります。
円安になる時、円高になる時
円安になれば金利は上がり、逆に円高になれば、金利は下がると言われています。
よくニュースで聞く「円安」というのは、例えば昨日まで1ドル=100円だった為替が、今日は1ドル=110円になった場合などです。
1ドルを貰うのに、より多くの日本円を支払う必要になった、ということですね。そのため円安になると、日本が海外から輸入している商品の価格が上がります。
例えば1ドル100円で今まで輸入していた商品が、円安が進み1ドル110円になれば、同じ商品を買うのに10円分価格が上がってしまうからです。
つまり
円安になる→国内の物価が上がる→金利が上がる
という仕組みです。
円高の場合は逆で、100円で買っていた商品が90円で買えるようになった。ということです。
つまり
輸入品の価格が下がる→国内の物価が下がる→金利が下がる
ということになりますね!
FXと金利の関係は?
FXの為替と金利の動きには、
金利が上がると、その国の通貨はより強くなる。
という深い関係があります。
詳しく説明すると、まずFXは2国間の通貨を売買して稼ぐ取引です。
例えば米国と日本の通貨ペアである「ドル/円」や、カナダと米国の通貨ペアである「カナダ/ドル」などですね。
この通貨ペアの2国間の金利差が拡大したり、縮小したりするとFXの為替相場にも影響するということです。
もし日本の円の金利が低く、米国のドルの金利が高くなれば、人々は日本円の資産を減らして、その分米国ドルの資産を増やそうとします。日本円は売られて、ドルが買われますので、その結果FXの為替市場は「円安ドル高」となります。
こちらは、日本・米国の金利差と、ドル円の為替相場の関係についてのチャートです。
出典:J.P. Morgan
青色の線は日米の10年金利差を、灰色線はドル円のレートを示しています。このチャートからも、日米の金利差が拡大すると円安になり、縮小すると円高になっていることが分かります。
「円安」や「ドル高」などの仕組みについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
スワップポイント
2つの通貨を持ち続けることで、金利差から毎日得られる利益があります。
それが「スワップポイント」です。
ここでは、
- スワップポイントとは何か?
- スワップポイントのメリットとは?
- スワップポイントの発生タイミングとは?
- スワップポイントの利益額は?
について解説していきますね!
スワップポイントとは
FX取引では2国間の通貨の交換をすると同時に、金利の交換も行われます。金利は各国によって違うので、2国間の金利を調整する必要があります。その金利差調整額を「スワップポイント」といいます。
一方の通貨の金利が高く、一方の通貨の金利が低い場合には、その差の分がスワップポイントになるということです。
FXの場合は、各通貨を発行している国の政府が定めた金利をもとにして、それぞれのFX会社が、通貨ペアごとのスワップポイントを決めています。つまり先ほど解説した政策金利(短期金利)が高い国の通貨が、基本的にスワップポイントが高いということになります。
昨年(2022年)の、主要国の政策金利を見てみましょう。
出典:外為どっとコム
上の表からトルコの政策金利が高いことが分かります。
政策金利が高いということは、トルコの通貨であるトルコリラ(TRY)のスワップポイントも高いということですね!
例えば円のような低金利通貨を売り、トルコリラのような高金利通貨を買うと、ほぼ毎日金利差によるスワップポイントがもらえます。
スワップポイントの利益を目的に、長期的にこのような通貨ペアを保有し続ける投資家も存在します。
スワップポイントのメリット
スワップポイントにはこのようなメリットがあります。
- 何もしなくても利息としてもらえる
- 違うFX会社だとより多くもらえることがある
- 基本毎日もらえる
高金利通貨はリスクのある通貨ですが、売買しなくても継続的にスワップポイントの利益が取引口座に入ってきます。
【高金利通貨の例】
南アフリカランド
メキシコペソ
トルコリラ
【低金利通貨の例】
スイスフラン
日本円
また、同じ通貨ペアでもFX会社によってスワップポイントが変わります。
例えば高金利のトルコリラを買い、低金利の日本円(JPY)を売った場合
トルコリラ/円(TRY/JPY)の1日のスワップポイントは、
- みんなのFX:24.6円/1万通貨
- 外貨ex byGMO:23円/1万通貨
- インヴァスト証券:23円/1万通貨
となっており、FX会社毎にスワップポイントが異なります。(2022年5月、毎日変動有り)
そしてスワップポイントは、ポジションを保有していればほぼ毎日、スワップポイントがもらえます。スワップポイントが高いFX会社で取引する方がお得ですね!
※似たものとして、株式投資の配当や、分配型の投資信託の配当などがあります。
しかしこれらは、半年ごとや1年ごとといった頻度でしか支払われません。
スワップポイントの発生タイミング
スワップポイントは、持っているポジションを翌日に持ち越したときに、1日分のスワップポイントがもらえます。逆に言えば、ポジションを翌日に持ち越すことなく決済した場合は、スワップポイントがもらえません。
「翌日」というのは、ニューヨーク市場がクローズする日本時間の午前6時50分(サマータイム期間中は午前5時50分)です。
また、スワップポイントが口座残高に反映されるタイミングは、FX会社で異なります。
ちなみに土曜日と日曜日には付与されません。
土曜日と日曜日は為替市場が全て休場で、FX会社も取引時間外なのです
各FX会社の土日分のスワップポイントの付与日は、以下のとおりです。
GMOクリック証券 | 原則 水曜日 |
外貨ex byGMO | 原則 水曜日 |
マネーパートナーズ | 原則 水曜日 |
インヴァスト証券(トライオートFX) | 原則 水曜日 |
ヒロセ通商 (Lion FX) | 原則 水曜日 |
みんなのFX (トレイダーズ証券) | 原則 水曜日 |
セントラル短資FX | 原則 木曜日 |
SBIFXトレード | 原則 木曜日 |
DMMFX | 原則 木曜日 |
FXプライムbyGMO | 原則 木曜日 |
外為オンライン | 原則 土曜日 |
外為どっとコム | 2営業日後 |
スワップポイントの利益額
スワップポイントの利益額は以下の計算式で出すことができます。
- 金利差×為替レート×保有数量=「1年間のスワップポイント」
- 1年間スワップポイント÷365日=「1日のスワップポイント」
スワップポイントは、その通貨の政策金利が同じであっても、常に一定というわけではなく、日々変わっています。なぜなら、その通貨ペアの2カ国間の為替レート(交換比率)も関わってくるためです。また、同じ通貨ペアでもFX会社の方針の違いにより、スワップポイントの利益額に差があります。
例えば、2023年1月17日のDMM FXが提供してる各通貨のスワップポイントは、このようになっています。
通貨ペア | スワップポイント(買い) |
---|---|
米ドル/円(USD/JPY) | 164円 |
ユーロ/円(EUR/JPY) | 87円 |
ポンド/円(GBP/JPY) | 161円 |
豪ドル/円(AUD/JPY) | 80円 |
NZドル/円(NZD/JPY) | 97円 |
南アフリカランド/円(ZAR/JPY) | 13円 |
※スワップポイントは各通貨ペアを1万通貨買った時、1日あたりに受け取れる金額を示しています。
各業者のスワップポイントは、各FX業者の公式WEBサイト「スワップカレンダー」にて掲載されています。基本的には毎日、もしくはリアルタイムで更新されています。
スワップポイントが高い通貨
スワップポイントが高い通貨はこれらです。
- 米ドル
- ニュージーランドドル
- 中国人民元
- 南アフリカランド
- トルコリラ
- メキシコペソ
各通貨のスワップポイントの高いFX業者、スワップポイント、1年保有した場合の年間利回り、必要証拠金の情報を以下にまとめてみました。
通貨ペア | FX業者 | スワップポイント | 年間利回り | 必要証拠金 |
米ドル | DMM FX | 12,775円/年 (35円/日) |
31% | 約40,000円 |
ニュージーランドドル | DMM FX | 9,125円/年 (25円/日) |
28% | 約32,000円 |
中国人民元 | みんなのFX | 29,200円/年 (80円/日) |
41% | 約71,000円 |
南アフリカランド | みんなのFX | 37,230円/年 (102円/日) |
120% | 約31,000円 |
トルコリラ | 外為オンライン | 9,855円/年 (27円/日) |
246% | 約4,000円 |
メキシコペソ | LIGHT FX | 47,815円/年 (131円/日) |
213% | 約22,000円 |
*2022年5月 時点
例えばDMM FXでは、米ドル/円を保有していれば、毎日35円、1年間で12,775円、年間利回りで約31%になるということが上の表でわかりますね。
その時に必要となる証拠金は、約40,000円ということです。
スワップポイントの注意点
ここまでスワップポイントの解説をしてきましたが、
「スワップポイントで稼ぐのはトレーダーの仕事ではない」
というのが僕の持論です
なぜならスワップポイントを狙う時に、大きなデメリットがあるからです。
- 為替変動リスク
- マイナススワップ
- 利益は課税対象
それぞれ説明していきます。
為替変動リスク
スワップポイントが稼げる通貨ペアを保有していれば、継続的に利益が発生するため、一見リスクの低い投資だと思われがちです。
しかし、スワップポイントが高い通貨ペアは、最終的に損するリスクも非常に高いのです。
例えば、
- メキシコペソ
- 南アフリカランド
- トルコリラ
などのスワップポイントが高い通貨は、流動性が低く、価格の変動幅が高い特徴があります。つまり扱いづらい通貨ということです。なぜなら、これらの通貨は新興国通貨と呼ばれ、政治や経済が安定しておらず、先進国の政策金利にも強く影響されるため、値動きの予測が難しいのです。
とくに2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻により、2023年現在も世界経済が不安定な状態が続いています。スワップポイントが高い通貨を保有する事で定期的に稼げますが、それ以上に、いつ大きな値動きが起こるかわからない、というリスクが常にあることは注意しなければいけません。
マイナススワップ
マイナススワップとはスワップポイントがマイナスになってしまう現象です。
つまり利益がもらえるのではなく、支払わないといけないのです。
例えば、高金利通貨 / 低金利通貨の「トルコリラ/円」を売りで保有し続けていると、2国間の金利差分である19.1% 分を、マイナススワップとして支払う必要が出てきます。 短期トレード中心の人はあまり意識する必要はありませんが、長期トレード中心の人は、このマイナススワップは日々少しづつ貯まっていき、逆に支払いが発生するので注意が必要です。 スワップポイントで得た利益は、課税対象になります。 20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)の税率が課されます。 個人の場合:スワップポイントを受け取った時点 法人の場合:スワップポイントが付与された時点 FXで得た利益は年間で20万円を超えると、雑所得として確定申告をする必要があります。 具体的には、1月から12月末までに得た為替差益(かわせさえき)とスワップポイント が利益の対象になります。 ※一部のFX会社では保有中の通貨ペアのスワップポイントでも課税される場合があるので注意ください。 確定申告の方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。 スワップポイントで稼ぐにはデメリットもあるため、個人的にはあまりおススメできる方法ではありません。 ですが! それでもスワップポイントの運用に興味あるあなたに、僕なりのスワップポイントで稼ぐ時のコツについて、以下の3点をお伝えしたいと思います。 少ない資金で大きな投資効果を出すこと。 スワップポイントで運用する際は、低レバレッジで運用しましょう。 理由は、スワップポイントが高い高金利通貨のリスクである、政治や財政面での不安定な状態やインフレによって、価格が大きく下落する可能性があるからです。 例えば、トルコショックの大暴落のように、経済や情勢の動きで一瞬で下がることもあります。 トルコリラは現在でも不安定な相場状況が続いていて、何度も政策金利の引き下げが実行されているため、相場が急変動するリスクがあります。そのため含み損を抱えてもロスカットをされないよう注意する必要があります。 一定以上の損失が発生した場合に、さらなる損失を防ぐため強制的に決済すること ロスカット対策としてスワップポイントでの運用は、低レバレッジで取引を行うようにしましょう。 レバレッジのかけ方や、適切な設定方法はこちらの記事で詳しく解説しています。 高金利通貨は価格変動のリスクが高いため、万が一急な価格変動でロスカットをされた場合、これまでスワップポイントで貯めた利益以上の損失が発生します。 そのようなリスクを回避するために、口座の残高と必要証拠金は、常に確認しておきましょう。 複数の通貨に分散投資を行っておけば、そのうち一つの利益が減少しても、別の通貨でカバーできる可能性があります。 一つの通貨ペアのみで取引を行った場合、価格が暴落した時に大損失が発生してしまいます。 複数の通貨に分散させることで、少しでもリスクを抑えましょう。 今日は、金利の仕組みとスワップポイントについて解説しました!要点をおさらいすると以下のとおりです。 あくまで「スワップポイントで稼ぐのはトレーダーの仕事ではない」というのが僕の持論です。 FXで稼ぐためのノウハウはこちらの記事を参考にしてくださいね。
利益は課税対象
それでもスワップポイントで稼ぎたい場合
レバレッジはかけすぎない
必要証拠金の確認を忘れない
複数の通貨ペアに分散投資を行う
まとめ